飛騨頂上~継子岳

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飛騨頂上~継子岳-火口縁に咲き乱れるコマクサの群生

 岐阜県下呂市濁河温泉の小坂口、あるいは、高山市の胡桃島(くるみじま)キャンプ場の胡桃島口から御嶽山を登山する場合、最初に目指すのが飛騨頂上(2811m)です。ここを起点に、御嶽山の北域を周回することができます。また、岐阜県高山市の日和田口から登って、継子岳を起点として周回することもできます。四ノ池と継子岳を周回して、乗鞍岳~北アルプスの眺望や御嶽山の景観を楽しみながら、数多の高山植物や運が良ければライチョウと出会うことができます。特に、7月後半から8月上旬の時期に見られるコマクサの群生は圧巻です。

 御嶽山の北域は、5千年前~4万年前頃には、活発にマグマ噴火をしていたとみられる場所です。継子岳火山(4.2万年前頃、1.1万年前頃にも噴火)、四ノ池火山(3.7~3.5万年前)、三ノ池火山(9千年前頃、6千年前頃にも噴火?)、五ノ池火口(5~6千年前頃?)。この地域では長らく噴火が発生しておらず、2014年噴火の火山灰もほとんど積もらなかったことから、美しい火口湖(池)や高山植物を楽しむことができる御嶽山の楽園のような地域になっています。(國友孝洋)

※(参考)
小林武彦(2017)王滝村と周辺の地形・地質.村誌王瀧村自然編.王滝村, 106p.
及川ほか(2014)御嶽山の噴火-その歴史と2014年噴火, 岩波科学12月号, 1218-1225.
市立大町山岳博物館(2006)ボタニカルアートで描く くさばなの一生, 市立大町山岳博物館 企画展資料.

飛騨頂上~継子岳~継子二峰

 青い屋根の山小屋は飛騨頂上にある五ノ池小屋です(手前の窪地が五ノ池)。御嶽山北域の周回コースは、四ノ池と継子岳(および三ノ池)の火口縁を巡ることになります。写真左奥が継子岳(2859.1m)、右側の継子二峰が継子岳火山の火口縁の名残で、下に平らな場所(火口原)が拡がっています。その右下に続く深い凹みが、四ノ池火山の火口です。

コマクサの群生

 ピンクの可愛い花を咲かせたコマクサが一面に群生しています(2021年7月26日撮影。継子岳と継子二峰の間)。7月後半から8月上旬頃まで、主として飛騨頂上付近や継子岳と継子二峰の間で見ることができます。保護のため、ロープ内には立ち入らないように鑑賞しましょう。また、登山道沿いに咲いているコマクサもありますから、踏まないようにご注意をお願いします。

蜜を盗まれたコマクサ

 花の付け根に穴が空いたコマクサをたくさん見かけました。何の穴でしょうか?受粉の媒介をするマルハナバチの仲間は、花の先端から潜り込んで蜜を吸い身体に花粉を付けます。しかし、花の付け根に穴をあけて蜜を吸うオオマルハナバチのような“やから”もいるようです。受粉せず蜜を吸うので“盗蜜”と呼ばれています。