御嶽⼭の⽕⼭情報

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現在の御嶽山の火山情報

御嶽山の5月の火山活動
 火山活動は静穏化の傾向が続いており、5月も目立った活動は見られませんでした。気象庁発表の5月の火山性地震数は月合計で14回でした。山頂を挟む2点間(落合唐谷―田ノ原)の距離変化の精密測定および田の原傾斜計のデータは、2014年10月以降、山体が収縮していることを示しています。次の噴火が1979年以降の4回の噴火と同様の推移をたどる場合は、山体の下からマグマあるいは熱水などが上昇するのに伴い、噴火前に火山性地震が活発化したり山体が膨張したりすると考えられますが、観測データには、それらの兆候は見られませんでした。噴気活動も2014年の噴火以降徐々に低下する傾向にあります。しかし、現在も、一部の噴気孔からは比較的活発な噴気が出ていますのでご注意ください。なお、予兆が捉えられていなくても、活火山は噴火する可能性がありますので、登山の際は、十分な装備や避難場所の確認などを常に心がけましょう。
参考資料:御嶽山の火山活動解説資料(令和元年5月)
最新情報は気象庁ホームページでご確認ください。



二ノ池で発生した雪崩(5月27日10時53分撮影。一ノ池方向)


火山活動に限らず、登山には様々な危険があります。御嶽山では、4月になってからも沢山の降雪がありました。気温も上昇し、大雨となった5月21日、二ノ池で規模の大きな雪崩が発生しました。雪崩は、二ノ池内の登山道を横切り、雪塊と土石が二ノ池火口の北東側の外輪山に乗り上げ、二ノ池の施設に被害をもたらしました。乗り上げた雪塊と土石の一部は二ノ池の北東側の谷へ流れ落ちていました。雪崩が発生したのは、地震計の記録などから5月21日午前6時40分頃と推定されます。幸い山小屋関係者や登山者はおられませんでした。

御嶽山の立ち入り規制区域について

平成29年8月21日 気象庁発表
御嶽山は現在、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)です。
長野県木曽町ホームページ王滝村ホームページ、岐阜県下呂市ホームページでご確認ください。

研究施設からの補足情報

活火山である御嶽山を登山する場合の注意点

 御嶽山に限らず活火山を登山する場合は、その火山活動の状況を把握しておく必要があります。我々は、噴火警戒レベルが1でも、噴火により甚大な犠牲が出てしまうことを2014年9月27日の御嶽山噴火で身に染みて学びました。今後も、気象庁の対応や自治体による規制が間に合わないことを想定しておかなければなりません。活火山を登山する前には、必ず最新の火山活動の状況をチェックしましょう。そして、火山性地震の活動が活発化している場合は、例え噴火警戒レベルが1でも、噴火口や震源域に近づかないことが命を守ることに繋がります。また、我々は、火山性地震などの現象が観測されなくても突然噴火する可能性があることを2018年1月23日の本白根山(草津白根)の噴火で学びました。突然の噴火に備えて、退避壕(シェルター)の位置や避難経路を「火山防災マップ」などで事前に確認しておきましょう。ヘルメットの着用も生存の確率を高めます。ただし、その効果を過信してはいけません。ヘルメットは、一撃で致命傷となりえる頭部のみを守るもので、噴石は身体全体を襲ってきます。そして、防げたとしても小さな噴石(火山礫)だけです。シェルターや噴石対策をした建物、大きな岩陰などに一刻も早く避難しましょう。シェルターなども一時的に噴石から隠れるための手段ととらえ、噴火が休止している間があったら、一刻も早く噴火口から遠いより安全な場所に避難しましょう。
 木曽町は、2018年9月26日正午から10月8日正午(結果として12時30分)までの13日間(正味12日間)の期間限定で、剣ヶ峰までの登山を一部規制緩和しました。待ちに待った御嶽山最高峰への登頂。特に祝日となった最終日は天候も良く、地元の予想を大きく超えた、大勢の登山者の方がお出でになりました。今回規制が解除された二ノ池上分岐から剣ヶ峰へとつながる登山道は、順番待ちの行列で大渋滞となりました。二ノ池上分岐からの新たな立ち入りを規制した午前11時に間に合わず、頂上まで登れなかった方も多くおられたようです。
 噴火はいつ発生するか分からないので、シェルターに入れる人数を越えて山頂付近に登山者が滞在することは避けるべきです。現在のシェルターは合わせて90名収容可能ですので、山頂付近に滞留する人数を常時その程度に抑することが必要です。登山道に人が溢れていれば避難も困難ですから、渋滞しない工夫も必要です。季節と天候のコンディションが良い日は、山頂のキャパシティを越える登山者が訪れる可能性を考慮し、火口から1km以内の場所は、規制解除がされたとしても人数制限を検討する必要がありそうです。登山者の方には、剣ヶ峰方面(2014年噴火口の近く)が混雑しているようなら他の場所を楽しんで頂くこともお願いします。魅力的なスポットは、このホームページでも発信していきたいと思います。
 なお、日本火山学会では、「安全に火山を楽しむために」というパンフレットを配布しています。学会ホームページからダウンロード出来ますので、ぜひ参考にして下さい。http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/data.html

剣ヶ峰に設置された退避壕(シェルター)[写真提供:御嶽山火山マイスター竹脇氏]