火山の基礎知識

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火山の災害にはどんなのがあるの?

火山の災害にはどんなのがあるの?(間接的なもの)

土石流

 土石流は、多量の雨が引き金となり、土砂と水が混ざり流動化して発生しますが、山腹斜面に噴火による火山灰が堆積していると少量の雨でも発生することがあります*12

火山泥流・融雪型火山泥流

 噴火により、火山灰が何メートルも降り積もったところへ多量の雨が降ったり、熱水が噴き出したり、火口湖の決壊など、短期間に大量の水が供給され、細かい土砂を含んだ泥のような流れを火山泥流と呼びます*22。冬季など、山頂付近の雪が噴火に伴う熱で溶かされ多量の水が供給される場合は、融雪型火山泥流と区別する場合もあります*12
 土石流と比べ、水分が多く、流動性が高いので、流下速度が速く到達距離が長くなるため広範囲に被害が及ぶ危険があります。

山体崩壊(山崩れ)

 火山はその噴出物が何層にも積もってできた不安定な地形なので、地震や大雨により山崩れが発生しやすく、噴火の爆発や地震によって発生する大規模な山崩れを山体崩壊と言います。山体崩壊によって多量の土砂が流れ下る現象を、岩屑なだれと呼びます*23
 御嶽山では1984年の長野県西部地震により、山体の南側で山体崩壊が発生し、多量の土砂が伝上川の両岸を削りながらおよそ10キロの距離を時速80〜100kmのスピードで多くの犠牲者を飲み込み流下しました。その土砂は高さ数十メートルも堆積し王滝川の谷を埋めました(御嶽崩れ)*24 *25
 また、約5万年前には御嶽山の東側斜面が大規模な山体崩壊を起こし、麓の谷を埋めると共に、川から水も供給されたことにより巨大な泥流となり、木曽川を一部北へ遡上すると共に、南へ約200km流下しました。その堆積物は、現在の木曽町福島城山地区や愛知県小牧市等でも確認することができます*26

参考文献リンクなど

*12 気象庁:主な火山災害

(https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/volsaigai/saigai.html)

*22 防災科学技術研究所:13.火砕流・火山泥流

(https://dil.bosai.go.jp/workshop/03kouza_yosoku/s13bakuhatu/explosion.htm)

*23 産業技術総合研究所:大規模な山体崩壊(岩屑なだれ)

(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/iwate/v01/iwt_db/eruption/debris_av/debris_av_t1.html)

*24 防災情報新聞:災害史は語るNo.150御嶽山大崩壊

(http://www.bosaijoho.jp/reading/history/item_4335.html)

*25 国土地理院:「火山土地条件図「御嶽山」について」

(http://www.gsi.go.jp/common/000069215.pdf)

*26 村誌王滝 自然編