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眉山は、長崎県島原半島、雲仙岳の東部にある溶岩ドームです。雲仙岳は、1792年2月10日、普賢岳山頂付近(地獄跡火口)から噴火を開始しました(平成の噴火開始の198年前。Q40)。 3月1日には、穴迫谷(あなさこだに)から、約2ヶ月続くことになる新焼溶岩(しんやけようがん)の流出を開始。22日には峰の窪からも溶岩を流出し新焼溶岩と合流します。 5月21日には、強い地震と同時に眉山(当時前山)が大崩壊を起し、有明海に流れ込み津波発生させました。 この津波が、島原および対岸の肥後・天草を襲い、1万5千名もの犠牲を出しました。のちに言うところの「島原大変肥後迷惑」です。なお、眉山の崩壊原因については、強い地震の他に、熱水と群発地震との複合作用という見解などもあります。
火山の山体崩壊によって発生する津波は火山性津波とも呼ばれ、島原大変のように恐ろしい現象です。記憶に新しいところでは、2018年12月22日に発生したインドネシアのアナク・クラカタウ火山(火山島)の噴火では、山体崩壊による大量の岩屑なだれが海底になだれ込んで、津波が発生したと見られています。スンダ海峡沿岸に来襲した津波により400名以上の犠牲が出ました(Q34)。そのすぐそばのクラカタウ島の1883年噴火で発生した津波による犠牲者は、3万6千名以上に及んでいます。
下鶴大輔監修/火山防災用語研究会編(2003)火山に強くなる本ー見る見るわかる噴火と災害ー 山と渓谷社 199ページ
国土交通省 九州地方整備局 雲仙復興事務所ホームページ
「日本の歴史上最大の火山災害 島原大変」http://www.qsr.mlit.go.jp/unzen/wlib/pdf/010101a.pdf
気象庁ホームページ(雲仙岳 有史以降の火山活動)
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/fukuoka/504_Unzendake/504_history.html
宇井忠英[編](1997)火山噴火と災害 東京大学出版会 219pp