火山超雑学クイズ

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出題クイズ

Q59
戦争の影響で休止していた日本火山学会は、1956年に再発足します。最初の代表者はどなたでしょうか?
出題者(國友孝洋)

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A59
宮部直巳(みやべなおみ)博士です。

解説

 日本火山学会は、第二次世界大戦の後、しばらく活動を休止していましたが、活火山研究会として活動を再開し、1956年に現在の「日本火山学会」が再発足しました(Q21)。

 再発足した日本火山学会の最初の代表者が、地球物理学者の宮部直巳博士(1901-1973)で、自他ともに認める寺田寅彦博士(Q30)のお弟子さんです。名古屋大学に大変ゆかりのある方ですので、このクイズにも登場して頂きました。宮部博士は、東京帝国大学理学部物理学科を卒業された後、東京大学地震研究所を経て、1941年に名古屋帝国大学に教授として赴任されました。名古屋大学では、理学部物理学教室の創設(1942年)に尽力されましたが、物質や宇宙の根源を探求しようとする素粒子理論の先生と、どちらかというと日常的な問題を物理で解き明かそうとする寺田寅彦流地球物理学の宮部博士との間には確執があったようです。その後、地理調査所(現在の国土地理院)、駒澤大学などで研究をされ教鞭をとられました。測地学や地盤工学などの方面で活躍されており、火山という印象がなかったため、日本火山学会の再発足時の委員長(現在の呼称は会長)ということを知った時は少し意外に思いました。

 博士を追悼する文中に、<学年試験の物理学のレポートの問題として、「風鈴がなるメカニズム」とか ,「インキを1m高い所から流したら,どんな模様が描かれるか」と云う様な問題 が出た。>というくだりがあり、なるほど寺田寅彦のお弟子さんと納得したものです。
参考文献

日本火山学会ホームページ(NPO法人 日本火山学会について)

http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/doc/aboutVSJ.html

日本火山学会ホームページ(NPO法人日本火山学会 歴代代表者一覧)

http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/doc/president.html

鎌田浩毅(1999)日本火山学会と会誌「火山」の現況と今後の取り組み, 地学雑誌, 108(6), 734-740.

多田文男(1974)宮部直巳先生の逝去を悼む,駒澤地理,10,81-82.