火山超雑学クイズ

ホーム >  火山超雑学クイズ >  クイズタイトル

出題クイズ

Q57
1985年の噴火で約2万人以上もの犠牲者を出した火山があります。火山名と災害の種類は?
出題者(國友孝洋)

回答はこちらをクリック

A57
ネバド・デル・ルイス(Nevado del Ruiz)火山で、火山泥流災害です。

解説

 ネバド・デル・ルイス山(以下、ルイス山)は、南米コロンビアにある標高5399mの火山です。1985年11月の噴火では、高温の火砕流が氷河の上に拡がって大量の水が発生したために、大規模な泥流が発生し、複数の都市を襲いました。最も悲惨だったのは、ルイス山頂から東に50㎞離れたアルメロ市で、9割以上の建物が埋められたり押し流されたりしました。人的被害も甚大で、全人口約2万9千人のうち約2万1千人が犠牲となりました(他の都市も合わせた犠牲者は約2万5千人です)。

 ルイス山では、ハザードマップが泥流発生の一月余り前に市町村などに配布・説明がなされ、泥流もほぼ予想された通りのコースを通りました。せっかく作成したハザードマップが生かされず、多くの犠牲者を出したことになります。いわゆるソフト面の対策の必要性を教訓として残した事例でした。


参考文献

下鶴大輔監修/火山防災用語研究会編(2003)火山に強くなる本ー見る見るわかる噴火と災害ー 山と渓谷社 199ページ

伊藤和明(2017)災害史探訪火山編 近代消防社 215ページ

防災科学技術研究所 自然災害情報室ホームページ

https://dil.bosai.go.jp/workshop/02kouza_jirei/19deiryu.html