火山超雑学クイズ

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出題クイズ

Q50
宮沢賢治の作品に、寒冷化に見舞われた世界を救うために、人為的に火山噴火を起こして炭酸ガスを大量に放出し、その温暖化効果により冷害を回避するという内容の童話があります。そのタイトルは?
出題者(國友孝洋)

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A50
「グスコーブドリの伝記」です。

解説

 主人公のブドリはきこりの息子として生まれ、幼少の頃は幸せに暮らしていましたが、冷害による飢饉(ききん)をきっかけに様々な苦難を経験します。転機が訪れたのはクーボー大博士との出会いで、大博士にその才能を認められてイーハトーヴの火山局に就職します。そこでは、噴火が切迫している火山に穴を開けて噴火を海側に誘導し、被害が都市部に及ばないようにしたり、人工的に肥料や雨を降らせて作物が良く実るようにしたり、人々の為に働きます。そして地球が再び寒冷化に見舞われた時、自分の生命を賭して火山島を噴火させ、炭酸ガス(二酸化炭素)を大量に放出させて温暖化し、冷害・飢饉から救うという活躍をします。

 火山の噴火を制御するとか、火山噴火で出てくる炭酸ガスにより温暖化させるとか、いろいろ議論が起こりそうな内容の童話です。火山との共生という観点からは、噴火のリスクを避けながら、できるだけ恵みを享受するという、一つの理想が描かれていると見ることが出来ます。この童話を読んで、テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(1974~1975年放送)を思い出しました。ガミラス星での決戦の回。宇宙戦艦ヤマトは、ガミラスの強酸性(濃硫酸に類似)の海へのダイブを決行し、船体が強酸でむしばまれていく中、海底下の地下探査をリアルタイムに行い、厚さ16kmの岩盤の先にある強酸性火山脈(強酸性溶岩脈というナレーションあり。マグマ溜りあるいは熱水系と解釈できる)を発見します。そこに波動砲を打ち込み大規模な火山噴火を誘発させ、それをきっかけとして、ガミラスとの戦いに勝利するという内容です。さて、グスコーブドリの伝記のようなデリケートな噴火制御を行う場合にも、まずは、目には見えない地下のマグマや熱水系がどうなっているかを地上からリアルタイムに精密・克明に観測する技術の開発が不可欠です。穴を掘ったら水蒸気爆発やいきなり噴火が起こったなんていうのではシャレになりません。なお、宇宙戦艦ヤマトがガミラス星やイスカンダル星にたどり着くのは、西暦2200年という設定です。その頃、我々は、火山のことをどこまで理解しているでしょうか。

 越年でのクイズとなりました。新年を迎え、皆様は良い初夢をご覧になったでしょうか?令和2年が災害の少ない良い年となりますように。


参考文献

宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」青空文庫

https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1924_14254.html

初出:「児童文学 第二号」1932(昭和7)年3月