火山超雑学クイズ

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出題クイズ

Q29
1783年(天明3年)の浅間山天明の噴火では、鎌原火砕流と呼ばれる大規模な火砕流・岩屑なだれが発生し、下流では泥流となり当時の鎌原村を埋めてしまいました。これは何月何日のことでしたでしょうか?
出題者(山岡耕春)

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A29
旧暦で7月8日、新暦では8月5日です。

解説
長野県と群馬県境にある浅間山は、歴史的にも度々噴火している活火山です。その中でひときわ大きな噴火は1783年に発生した天明の噴火です。天明の噴火はこの年の5月上旬(新暦。以下日付はすべて新暦で表記します)から始まり、いったんは小康状態になったものの、7月にはいると爆発を繰り返すようになりました。7月28日の噴火では江戸に火山灰や軽石を降らせました。その後も噴火はいよいよ激しくなり、8月5日には大爆発とともに北麓に向けて火砕流・岩なだれを発生させ、それが泥流を引き起こして旧鎌原村を埋めてしまいました。これが鎌原火砕流(鎌原岩なだれ)と呼ばれているものです。この岩なだれはそのまま吾妻川に流れ込み川をせき止めました。せき止められた吾妻川は次第に水位を増し、ついには決壊して利根川にまで流れ込み、流域の集落を巻き込み大惨事となりました。この岩なだれの直後に火口から溶岩が流出し山麓に流れ下りました。これが鬼押し出し溶岩です。この火砕流や岩なだれの流下の詳細や鬼押し出し溶岩の成因についても諸説があり、研究が続いています。

参考文献
「嬬恋・日本のポンペイ」(最新増補版) 浅間山麓埋没村落総合調査会・東京新聞編集局・特別報道部 共編 1990年、東京新聞出版局、241ページ。