AWAJI 実験日記

2002年12月19日
アレイ観測準備,現地下見&RDAQ(TSS)設定
参加者:山岡,生田,見須
震源まわりの地震計(5台)の記録を,ISDN経由で名大で取得するため,ルーターの設置を行った.また,これまでTSSのプログラムはMSDosプラットフォームだったのを,割り込み可能なWindowsにした.プログラムはMatlab DAQ Toolboxで作成.これをRDAQと名づけよう.
また,アレイ観測のために土地の下見を行った.
今回のアレイ観測ではLS7000を使うが,その精度が心もとないため,ためしに地表でノイズ観測を行った(観測室の前の広場にて)
2003年2月8〜13日
アレイ観測開始,RDAQ(TSS)設定,震源周り速度計,加速度計の設置.
参加者:生田(8[土]〜13[木]),見須・宮島(10[月]〜13[木]),山岡(10[月]〜12[水])
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8日雨
;11:00現地到着(On Caldina).RDAQシステム配線,震源装置への加速度計の設置(降雨のため屋外作業はできず).アレイ用の地震計センサーケーブル延長.
この際,加速度計LS10Cの上下動成分が正常に動作しない不具合が発生!LS10Cは感度0.3[V/m/s^2]なので,重力加速度gで3V出力される.これを補正するためにVoltageReferenceを下図のように組むべき(3V上げたGNDレベルと出力との差を信号とする).ところがGNDを3V上げるのではなく,信号を3V下げるようにしてしまったため,UD4成分で共通のVoltageReferenceのGNDと信号線のGNDの差を見ることになってしまった.これは何を見ているのか解らないばかりか,本来安定して電位差を発生するVoltageReferenceにムリに信号分の擾乱を与えることで負荷をかけることになってしまったと推定される.電解コンデンサも絶縁破壊した模様.
我ながら思慮の足りなさに呆然.さらに加速度計を一つガッコに忘れてきてしまった.なんという馬鹿さ加減…この観測の準備は結構テンパッた.AMP作成,RDAQ作成,加速度計用端子盤作成など,詰め込みすぎた.の割に準備が悪かった.目の前のことしか考えていないし…こんなことではまたボスの信頼を失ってしまう….
観測室の周りは本当に真っ暗で多少寂しいが,風車もあるし,海は見えるし(今日は大雨で煙る西播磨?のコンビナートが見える.)だし,淡路島は良いところだ….今日の晩飯は札幌ラーメンとチャーハン.うまかった.おやすみなさい.


9日晴;10:00作業開始.屋外地震計配置決定.北側アレイ(N-Array)配置決定.南側アレイ(S-Array)は10日に測量の予定.大体の場所は決めたが,水が出ているため多少心配である.
観測標識用の紙,ポケットリーフ,ロガー梱包用のビニル紐を購入.
今日は快晴で8日月が出ている.星もきれい.北斗七星とカシオペアが同時に全部見える.晩飯は生姜焼き定食.簡保の宿で風呂に入った.一人で来る時は観測室泊,簡保風呂のこのパターンが良い.
地震計アレイ用のケーブル延長(2台)終了.絶縁,通電確認.熱収縮パイプで各線を保護した後,自己融着テープとビニールテープで全体を防水した.

10日晴;10:00作業開始.今日は見須さんと宮島さんが正午到着予定.暫く人と話していないので楽しみ.食堂とコンビニの店員さんと挨拶を交わした程度である.
午前中;南側アレイ(S-Array)NS軸決定.午後宮島さんと見須さんが到着後,EW軸を決定予定.
午後;宮島さんと見須さんが到着.以降の作業行程は見須日記でも.生田日記はここから個人的日記に路線変更.宮島さんと見須さんとアレイ地震計の孔を掘る.径30cm,深さ15cm〜50cm程度の孔を20個掘った.4:00頃ボス到着.宮島さんが岩屋まで迎えに行く.
今回の宿は清雅荘.今日はナマコ,白身の刺身,カレイの煮付けが出た.うまい.やっぱり清雅荘は良い.
今日の反省点;見須さんと宮島さん到着前に段取りをしっかりしておくべきだった…始め二人への仕事の割り振りが悪かった.
◆夜に震源室の加速度計,速度計の配線をやり直した.またも問題発生;PCI6033EのCh数がDifferencialで24Chしかない.マニュアルには32chと書いてあるのに….しかもCh8とCh16が同じ波形を描いたりする.なんなんだこれは….またLS10-CのNo.4,No.15のシールド線と電源線がショートしている事が判明.No.15は自作の延長ケーブルが悪い.またNo.4は既成の延長ケーブルが悪い.No.4はハンダ付け直し,No.15はケーブル交換をした.

11日雨; 今日は朝から雨だ.午前中は室内で出来る作業だ!
ソーラーパネル組み立て,バッテリ配線,アンプ設定,クーラーボックスにロガー類を入れ,地震計も接続.持っていって置くだけで良いようにした. 昼飯は「アーサ」で.黒い犬がいた.スリッパをくわえている.俺の靴にも寄って来た.かなり臭いはずだが….ホームセンター「コーナン」(山を越え,東浦インターの横を抜けるとある)で,GPSアンテナ用のアングル,地震計ケーブル保護用のビニルホースを購入.ビニルホースは縦に切れ目を入れ,ケーブルを包んでねじりっ子で止めることにした.
午後も引き続き,組み立て作業など.
夜やはり震源室地震計のセッティング.PCI6033E不調の原因がわかった.どうも32Chは使えないらしい.どうしようも無いのでSingleEndで30Chをとった.
SingleEndの時のChの分配は以下のようになっている.ACh8が使えない.マニュアルにはそんなこと一言も書いていないぞ!
PCI6033Eのピン番号とCh分配(Single End)
(Differencialの時は1,3列が+,対応する2,4列が−)
AChPin番号HwCh AChPin番号HwCh AChPin番号HwCh AChPin番号HwCh
03Hw-Trigger 84- 326732 406840
151 969 336933 417041
272 10810 347134 42542
393 111011 357335 437443
4114 121212 367736 447844
5135 131413 377937 458045
6156 141614 388138 468246
7177 151815 398339 478447
165116 245224 488548 568656
175317 255425 498749 578857
185518 265626 508950 589058
195719 275827 519151 599259
205920 286028 529352 609460
216121 296229 539553 619661
226322 306430 549754 629862
236523 316631 559955 6310063

注;Pin番号=端子盤のPin番号-蓋のウラの表参照,HwCh=Matlabで認識されるCh番号
12日晴れ; 一昨日孔を掘ったが,朝サイトへ行くと,雨でアレイSの地震計孔が水浸し.10点中9点が上まで浸かっていた.これはマズイ….どうもこの辺はWater tableが地表面ひたひたまであるのではないか?あるいは水はけが劇的に悪いか….せっかく昨日4時間かけて掘った孔だが,地震計は隣に浅めに孔を掘り,セメントで固めることに.
アレイNは無事だったので,こちらは地震計を埋設する.
午前中孔掘り,アレイNのソーラーシステム設置,アレイNの孔底にセメントを入れ平らにならす.
午後アレイSのソーラーシステム設置,地震計設置.こちらは地震計の3本の爪を用いて地面に刺し,周りをセメントで固めた後ビニルと土を上からかぶせた.
その後アレイNの地震計設置.こちらはセメントの上に爪を外した地震計を置き,粘土で高さ調整をした.その後やはりビニルと土を被せた.また,地震計位置の測量をした.
午後山岡さん帰名.我々はもう一泊して,明日帰ることにする.
夜,震源室の設定.震源室内加速度計の確認.

13日晴れ; 今日は確認だけして帰る.うまく動いていた.震源操作を見須さん,宮島さんに教えて,11時震源室発.

2003年2月15日
淡路島に遊びに来たついでに覗いたらトラップされた編
参加者;生田
昨日から川西の山田さん家にお邪魔している.一昨日震源室に野帳を忘れたので,彼女は近所のパン屋に行きたいと言ったのを淡路島には良いところが一杯あると甘言を弄し,二人で淡路島までドライブがてら取りに行った.震源室についてみると野帳はなかった.仕方がないので観測中のLS7000が動いているかだけ確認し,花さじきにでも遊びに行こうと思った.彼女を待たせて北側のアレイサイトへ行き11番のアイスボックスを開けると,なんとちっこい蟻がせっせと働いている.『こりゃどーいうこっちゃー!!』とLS7000を取り出すと,どうもLS7000の中に入っているようだ.体長1mm程の蟻が1匹,餌らしきものをくわえてマイクロドライブのスロットから出てきた.前面のスロットと背面のディップスイッチ部から入っている模様.アイスボックスのケーブルが出ている部分(粘土で固めてはいたが)から入っているらしい.
ためしにディップスイッチ部から息を吹き込んでみる.するとスロット部から出るわ出るわ,50匹は出てきたね.誇張じゃなく.ロガーとアンプを全部外に出して,IceBoxに残ってるアリさんを追い出そうとしたがナカナカ出てこないので潰しまくった(この日僕は多少ムリに紗衣子さんを連れてきたため,「早く終わって遊びに行かねば」と非常に焦っていた.普段ならアリさんを殺したりはしないのだ.). 他のロガーを見ると,やはりいる,結局北側アレイの4つのロガーに,全部で200匹くらいが入っていた.幸いロガーは正常に動いていたが,このまま侵入を許しておいてはデータに関わると思い,仕方なくアリ防御策を講じることにした.ケーブル部をビニルで覆い,ビニルテープで隙間無くくっつけるというだけのことだが,その時にはもう彼女はピークに怒っており,僕は彼女を気にしながらも仕方なく10コのアイスボックス全部を処理した.結局終わったのは5時.彼女は6時に歯医者の予約があったため(淡路島から川西までは1時間強かかるのだ),それから速攻で帰った.彼女は結局まともに淡路島の土を踏むことさえなかったのであった….帰りの車では取り付くシマもなく,彼女は終始ほぼ無言であったとさ(でも次の日にはカラッと忘れてくれるところが素敵である).紗衣子さんごめんなさい.
次回はシリコンシーラントと殺虫剤を持って来よう.
2003年2月24日〜25日
アレイメンテナンス,震源近傍地震計メンテナンス
参加者;見須,生田,宮島
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24日(月)
お仕事;アレイのIceBoxのケーブル出口にシリコンシーラントを充填,アリの侵入を防ぐ.
LS7000のデータ回収.
なな,なんと,RDAQシステムが前回起動した2月16日から止まっていたことが判明.始めの100秒終わったところで止まっている.再現性はない.20Chでおこなっていた時はこのようなエラーは無かった.また,30Chでも何度も確認したが,スケジュールファイルが7日程度の時はこのようなエラーは無かった.今は1000時間の設定にしてあり,計測中は常にスケジュールファイルは開いている.メモリー不足だと推定.ただし,今回は時間が限られているため,この修復は次回に.
25日(火)
Br-10の地震計(Lenarz Le3D 4.5Hzボアホールタイプ),UD成分のスペクトルがおかしい.まともな記録が取れていない.これはイカン.回収してチェックするうちに,強烈な60Hzが出るようになってしまった.どっかの配線が断線したようだ.宮島さんと協議した結果,名大に持って帰ってチェックすることにした.
→名大に帰ってチェックしたら,ハムはコネクターが抜けたためだったことが判明.またUDどころか全て,配線が間違っていた.京大の方に貸した時に配線を繋ぎ変えたらしい.こういう基本的なところのチェックを怠っている自分が情けない.14時淡路島発,17時帰名.次回,近いうちに地震計を持って行こう.
2003年3月1日〜2日
ボアホール地震計再設置,アレイメンテナンス
参加者;生田,見須(リモート;名大にてスタンバイ)
生田日記
1日(土)
10:30到着
とりあえずRDAQがまた停止していた.26日の朝7:43だった.20Chで行っていた時はこのようなことは一度も無かった….やはりメモリー領域の問題だろう.TaskManagerで見てもStackLength毎にかなりムリがかかっているようだ.今回から,Stack Length;60sで動かすことにしよう.メモリーを倍にできれば100sのままで行ける筈.帰ったらボスにお願いしてみよう. 今日のお仕事;
  • ボアホール地震計(Lenertz Le-3D)の再設置
  • ルータの設定(昨日名大からPingをかけて反応が無かった.)
  • Dell(RDAQを載せているPC)のメモリ確認
  • RDAQの修復,再構成
  • DellにVNC(Virtual Network Computing)をインストール,名大からリモートで操作できるようにする
  • サイトの写真撮影
  • 加速度計のノイズ源の同定(震源の回転に比例していることは判っている)

お仕事の成果;
  • Le-3Dは異常なし.
  • ルータはちゃんと設定されていた.名大側が問題のようだ.名大側のPCで,デフォルトGWをルータでなく,ISE(観測センターのWorkStation)にしたのが問題だろう(マズイのでは…と思いながら設定したのを思い出した).見須さんに設定を直してもらう.
  • Dellのメモリは128MBのMA990606-04というのが2枚入っていて,1枚分だけ拡張スロットがある.
  • RDAQはStackLength 60sで再起動.快調に動いている.これで良さそうだ.
  • Dellには既にVNC(これはServer,Cliantの両機能を選択できる便利なアプリである)がインストールされていた(僕がしたのだろうか?全く憶えが無いゾ).そこでServerを起動し,持参したノートPCをルータ経由で繋ぎ,Viewerを起動したところ,Dellをリモートで操作できた.また,ISDN(データ転送速度が遅いが…)経由でも同様のことが出来るのを見須さんの協力で確認.
  • サイトの写真撮影,アレイのLS7000動作確認OK.ただし,Ls7000の地震計はこの雨で水没しているもの多数.これでは観測波形もかなり変わるんだろうな.見須さんに確認してもらおう.
  • 加速度計は,LFにくっついている6つはHFの方と比べ格段にNoisyである.加速度計を震源装置と絶縁してもノイズは変わらない.
最後にPCI6033EのHwChとAChの対応を再確認し(使えないのは本当にACh8のみか?),作業終了@19:30.
北淡町役場の向かいの『志田』というお好み焼き屋で晩飯.スジねぎ焼きが激ウマかった.これからニースが開いていないとき(月曜日)はここに来よう.

2日(日) 昨日頑張ったので今日は絶対午前中に帰れる筈…
今日のお仕事;
  • 撮り残した写真(Sアレイの全景,Surfの2つの地震計)撮影
  • 加速度計の座標再確認(サイズも)
  • RDAQ確認スタック長60秒で動いている.ファイルは'D:\Data\Data2\'に保存中
午前10:30震源室を後にする.
2003年3月18日(火)〜19日
断層解剖計画会議

震源メンテナンス

アレイ測量
参加者;生田,見須,田所
生田日記
今回のお仕事;
  • アレイロガー,データ取得確認(吸い上げ予定はなし).
  • 震源停止,位相データ吸い上げ,再起動.
  • 断層解剖計画会議
18日(土)
見須,生田,車で移動.8:45名大発.
震源室到着13:15.
10台のLS7000を回る.全て正常(「97MB/1GB」←使用データ領域.「Stack G」←状態.になっている).
13:45〜18:00;断層解剖計画会議に出席.参加者20名程度.印象的だったお話…山本清彦先生の中の,岩石の破砕度とせん断強度,P波速度の関係.
18:30;「簡保の宿」に移動
宿にて20:00〜22:00,松本聡さん,小村健太朗さんの講義を聴いた.
これもどちらもサイコー.かんなり面白かった.小村さんは4つの活断層ドリリングとその多方面からの観測で判ってきたことを,松本さんはアレイによる散乱波からの不均質構造の推定を行う話を.これはかんなり参考になった.ブラボー!

18日(土)
午前中;断層解剖計画会議に出席.午後,田所さんに付き合って頂いてアレイ保守,震源停止と再起動.観測点座標確認など.
  • アレイのアンプゲイン確認Sアレイ-10番EW成分
    アレイの記録をインパルスレスポンスで見ると,Sアレイ-10番EW成分の記録が1/10程度になっている.今までスペクトルを見て気づかなかったのはまずかった.そもそも僕はまともに全部のスペクトルを見たことがなかった.これはまずった.
    実際10番EW成分はゲインが10に設定されていたことが判明.13:00,ゲインを100にする.
  • 同様に地震計のセンスチェック.これもSアレイ-10番EW成分Sアレイ-8番EW成分
    これはインパルスレスポンスを並べてみて初めて気づいたが,8番と10番は震源からほぼ同じ距離にあるのに,位相が180度ずれているように見える.
  • Nアレイ,Sアレイ,震源の位置の同定.以前NアレイとSアレイの中心点はハンディGPSで,日本測地系で計測しこれをWGSに変換して用いていた.震源の座標はWGSであった.
    しかし,震源,アレイ間のインパルスレスポンスを震源から近い順に並べると,X系列とY系列に系統的なズレがある.座標値の変換の仕方がおかしい可能性が出てきた.そこで全点ハンディGPSのWGSで測り直すことにした.
    現在当HP上の座標は全てこれである.
  • 震源装置を一旦停止し,位相記録を吸い上げた.正常であったが,低周波機については位相記録が2/28 正午までしか取れていなかった.何らかのトラブルだろう.この時刻以降の記録について解析をする際に注意して見てみよう.
2003年4月22日(火)
震源メンテナンス

RDAQシステムメンテナンス

アレイデータ吸い上げ

またもアリに泣くの巻
参加者;生田
生田日記
今回のお仕事;
  • @アレイロガー,データ吸い上げ.
  • A震源停止,位相データ吸い上げ,再起動.
  • BRDAQシステム,Voltage Reference(IC)の組み付け(加速度計UD成分の補正)
  • CRDAQのStack Lengthを100秒にする.
  • Dこれに伴い,HF機の中心周波数を19.11Hzにする.
18日(土)
生田.6:00名大発.
日曜日に山田家に鍵(アパート,学校,淡路,車の鍵)を忘れて帰ったため,寄った.8:30に山田家着,45分発.10:00に明石ジェノバライン乗り場着.ダイヤが変わっていた.(ジェノバライン時刻表)11:25まで待って渡る. これは失敗.
時間がなくなったのでタクシーを使う.
震源室到着12:00.
  • @アレイスケジュール設定.14:00〜
    ロガー緯度経度
    NアレイN34°33.0438'E134°56.7462'
    SアレイN34°32.8488'E134°56.6892'

    データ取得.10台のLS7000のマイクロドライブを換えて回る.全て正常(「0.2GB/1GB」←使用データ領域.「Stack G」←状態.になっている).
    全データ回収完了
    しかし,アリがいる…詳しくは見たくない.後でロガーの動作確認の際に退治しよう(この判断が賢明だったことが後で判る…)
    このデータ確認をこの後他の作業と平行して行う.
  • A14:00〜震源停止
    震源位相;HF機―0092→7529,LF機―5722→5190
    位相データ吸い上げ.(これに3時間ほどかかった)
  • B14:00〜Voltage Referenceの組み付け.加速度計のUD成分のGNDに3V下駄を履かせた.No.1,4,13,16の加速度計(HwCh;13,16,19,22番).正常に動いている.
  • COK.ChAssistのHwCh番号の確認.Ch8番のHwChは31である.
  • DHF機の中心周波数を19.11Hzにした.この場合,位相合わせの際は正時0'00,1'40,3'20,5'00,…の位相値を入力した.
    16:00,さて,アリ退治がてらロガーの確認だ.「アリアトール」,「エアダスター」,シリコンシーラントを持ってアレイを回る.11番,17番,20番が特にひどい.アリ達は主に下のケーブル孔から入ってくるようだ.ロガー,「温度トリ」はビニルで保護されているので無事,しかしアンプを持ち上げるとその下は一面橙々色.卵だ.アリも蠢いている.←なんとも体をあらわした漢字だ.感心している場合ではない.20番に至ってはアンプの下のみならず,アイスボックスの底前面にアリが….ロガー,アンプを全てだし,アイスボックスを逆さにして半狂乱でエアダスターを撒き散らした.しかしアリは凍るばかり,卵も出て行かない.き,きしょい….何かに対してこんなに殺意を覚えたのは初めてだ….アリさんに悪意がないことは判るのだが…
    対策として,ケーブル孔に中からもシリコンシーラントを充填した.また,アイスボックスの底にもアリアトールを撒いた.これでさしものアリも入って来たいとは思わないだろう.残った卵から孵った子アリどもも生まれた瞬間に死んでしまうに違いない….ごめん,アリ.
    No.16ロガーは時刻較正ができておらず,「TCAL」のままになっている.キャンセルしてまた後で確認することにする@16:30.
    17:30,位相データの吸い上げが終わる.PC側のファイルを消去.またしても25Hz機はファイルが3月30日までしか出来ていない.
    震源再起動.
    18:00,終了.帰ろう.震源室を後にする.18:30最終のジェノバラインに乗るためには,No.16のロガーがちゃんと生きていることが必須.これを確認してタクシーを呼ぼう.
    果たしてNo.16は…生きていなかった.”Stack G”になっているものの,データは0.1M/1Gのまま増えていない.17:00,18:00にファイルを保存していない模様.あ〜あ,船乗れねー….測定ストップ,その場でPCを立ち上げ,スケジュールファイルの確認をする.経度が間違っていた.経度を直し,スケジュールは19:00〜とする.完了.撤収.

    下まで降りたら岩屋行きのバスがあることが判明(ジェノバラインが終わった後なら平日は19:09と最終の19:49).「断層記念館前」でバスを待つ.今日に限ってジェノバラインを往復で買っていた….払い戻しに行く時間もないし,当日限り有効だし….俺って普段準備が悪いくせに,たまに準備がいい時は裏目に出る傾向があるようだ.よく考えずに行動するからこうなるのだろうか…? 帰りに仕事帰りの紗衣子さんと飯を食う約束をしていたのに,ムリそうだ.ちょうど電話が繋がり,そう告げたら怒られた.もっと早い段階で留守電を入れておけばよかった.会話もそこそこに電話を切られてしまった….あー疲れた.アリアトールが体中に付いている.とっても惨めな気持ちになったので,自販機でホットのお茶を買い,それで手と顔とを洗った.贅沢をしてちょっと気分が良くなった.自転車の高校生に奇異なものを見るような目を向けられた.「岩屋」から「高速舞子」のバスは22時頃まであった.これから遅くなったらこのラインで帰ろう.最悪タクシーで岩屋まで行ければ帰れるだろう.
    今日のお仕事,終〜了〜!
    11:30学校着.
2003年6月24日(火)〜2003年6月26日(木)
震源停止

RDAQデータ吸い上げ

アレイ撤収の巻
参加者;見須・山岡・宮島・生田・藤枝
生田日記
今回のお仕事;
  • @アレイ撤収.
  • A震源停止,位相データ吸い上げ.
  • B震源反転運転
  • C震源室近傍地震計の回収
24日(火曜日;雨)
14:00到着.
震源室内の温度が異常であった.50°くらいになっていた.ラジエータがうまく働いていない(原因不明).インバータの故障,以上停止らしい.
14:00 震源・RDAQともに停止.異常なし. 見須・山岡・宮島・藤枝4人はN,Sアレイ撤収を開始.
生田は@震源の位相データ,温度トリのデータを回収.DELLのデスクトップに温度トリのドライバをインストール,一旦こちらにデータを回収し,ISDN経由で名大から取りに行くことにする.

温度トリのデータ回収
1号;
  • Ch 1. 震源装置から出て行く冷却水パイプ
  • Ch 2. 震源装置に入って行く冷却水パイプ
2号;
  • Ch 1. 制御装置前のテーブル上
  • Ch 2. 同
3号;
  • Ch 1. 震源室の外壁
  • Ch 2. 同
4号;
  • Ch 1. 観測室内西側壁面
  • Ch 2. 同

見須班はアレイの撤収と同時にデータ回収,地震計のセンスチェックも行った.センスチェックはLS7000をスタック回数1で動作しながら,地震計を西から→南から→上からの順で3回づつたたく.
15:00〜 Splitting調査のため,新パラメターで震源逆回転を行う.RDAQ再始動. 15:30 手製の制御箱の表示を逆転にし,
LF … 18±2.1Hz
HF … 24.1±2.1Hz

変調周期10sの1/2変調で運転.
16:00 運転開始.位相;LF=2278,HF=7908. 19:30 停電.宿にいたら落雷で瞬電した.気になって震源室へ行くと,やはり停電.震源装置とRDAQが止まっていた.しっかしシャワーのような土砂降り.またいつ停電するかびくびくしながら宿に帰る.

25日(水曜日;雨)
3:00 起き出して震源を停止に行く.今回の実験は,震源を10時間づつ正転,逆転運転し,リニアモーションを作ることである.
またインバータが異常停止して,室温が異様に高くなっていた.本格調査の必要あり.
HFが,回転周波数を変えるために「s」を押したら勝手に止まった(PCの表示はCtrl+c).
8:30〜 アレイは全て回収したので,IceBox,地震計を片付ける.IceBoxに入れた温度トリのデータも回収する.→ 6,10,11,12,13,14号.
15:00 震源,RDAQ停止.(D:\DATA\DATA7にセーブしてある.)
Surf-W,Surf-Eの地震計を回収.Surf-Wは防水したビニルの中まで水が浸透しており,宿に帰ってからMarkRand4.5Hzを開けたら,内部にも水が入っていた.水平方向の振り子が自在に動かなくなっていたが,錆びは浮いていないのでごく最近の降雨のためであろう.多少ばらしてドライヤーで完全に乾燥し,556を塗布した.ついでに歪んでいた水平動のバランスを直した(調節ネジ)
25日(木曜日;晴れのち雨)
震源室を点検確認後,帰名!これにて今回のArray実験は滞りなく終了!皆さんお疲れ様でした!解析結果は随時このページに載せていくつもり.
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