2004年
 2004年9月3日〜4日にかけて、2004年NSLの夏の合宿を三重県で行いました。昨年に続く2回目ですが、今回は東南海地震での津波の被害が予想される地域を訪問して、地元の古老の話や自治体の防災担当者の話を伺いました。参加人数も40人を数え、関心の高さがうかがえます。
 この合宿の翌日の9月5日の夜に、紀伊半島沖でマグニチュード7クラスの地震が2つ発生しました。特に11時57分の地震(マグニチュード7.4)では、紀伊半島を中心に津波警報が発令されました。合宿の成果がいきなり試される地震でした。
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9月3日
1.集合 名古屋大学
 地下鉄の開通した名古屋大学に集合しました。朝8時、大型バス1台に乗り込んで紀伊半島に向かいました。参加費は尾鷲での宿泊費を含め25,500円を払ってバスに乗り込みました。
2.南勢町
10:30 南勢町役場につきました。ここでは防災担当の中西さんから南勢町の取り組みについて伺いました。また昭和の東南海地震津波に遭遇し、津波の中を父親を背負って逃げ、奇跡的に助かった方からもお話を聞くことができました。そのときの体験談は自費出版されて本になっています。
南勢町役場での勉強会の様子。役場の防災担当者からパワーポイントを用いた説明を聞きました。 南勢町役場前にある標高表示板。津波から身を守るためには、その場所の標高を知っておくことが大切です。
3.南島町
13:20 南島町役場に到着。古和浦公民館の館長さんから昭和東南海地震当時のお話を伺いました。お話の内容はこちらをご覧ください。また役場の消防担当の小島さんから、南島町における地震・津波対策について説明を受けました。
4.紀勢町
14:20 紀勢町の錦タワーに上り役場担当者から紀勢町における地震・津波対策について説明を受けました。津波からに避難は第一にすみやかに高台に逃げることですが、地形的に高台がないこの地域の避難のために鉄筋コンクリート性のタワーを造って、津波の際に避難ができる施設となっています。
錦タワー 紀勢町にある鉄筋コンクリート性のタワー。外周の階段を使ってタワーの上部へ避難することができる。内部は集会場としても使用できるようになっている。 東南海地震の津波によって停まった時計。当時の錦町役場にあったもの。時計の半分のところまで津波が来た。(錦タワーに展示してあった)
5.紀伊長島町
時間的には遅くなってしまいましたが、紀伊長島町のとりくみについてのお話をお聞きしました。町内の浸水マップが印象的でした。海水浴場やキャンプ場などをかかえる観光地ですから観光客への周知が重要だという印象をうけました。
6.懇親会
夜は、尾鷲市長をお迎えしての懇親会です。いろいろと貴重なお話や決意を聞かせて頂きました。津波警報が2日早かったら、尾鷲市長は市役所へ駆けつけることになりてんやわんやだったと思います。マスコミの皆さんは海岸へ取材に?(行ってはいけません!)
9月4日
1.尾鷲市役所
午前中は尾鷲市役所で、尾鷲市の防災対策に関する説明を受けた後、名大の水谷先生による津波の勉強会です。
尾鷲市役所講堂における講義風景
2.昼食
昼食は賀田地区を望む尾鷲シーサイドビューという旅館で食べました。大変おいしく好評でした。この建物には外部から直接屋上に昇ることのできる階段が整備されています。(写真右)
3.尾鷲市賀田地区見学

尾鷲市の賀田地区は尾鷲市の中でも最も高い津波に襲われてきた地域です。私たちは賀田公民館で東南海地震津波の経験者のお話を伺いました。

津波電柱
 尾鷲市の賀田地区には昭和の東南海地震と安政の東海地震の時の津波の高さが電柱に示してありました。信じられない高さです。

尾鷲市賀田地区にあった電柱
街路灯の下の張り紙の高さが昭和の東南海地震時の津波、街路灯の上の張り紙が安政東海地震時の津波の高さです