2003年8月3日〜4日にかけて、NSLの夏の合宿を静岡市で行いました。30人の参加をいただき、盛況のうちに終えることができました。13:45の静岡駅集合時刻にはすべてのメンバーがそろい、さすがマスコミというところでした。
8月3日
1.静岡新聞社・SBS放送センター
 タクシーで静岡新聞社製作センターへ向かい、免震構造の社屋を見学しました。この社屋の立派なところは、きちんと免震見学のためのスペースが取ってあることで、無理な姿勢をしないで見学することができます。この社屋では横揺れに対する免震を建物の基礎に施し、縦揺れに対する免震を印刷機(新聞印刷用の巨大なもの)に施して、災害時にも印刷能力を維持するようにしています。横揺れに対しては、積層ゴムによるものと滑りまさつを利用した免震装置を使用しています。特に後者はエネルギーを吸収してゆれを押さえるためのものです。
 つぎにSBSの地下にもぐりました。SBSでは積層ゴムによる横揺れ免震に加えてダンパーによるエネルギー吸収装置を用いていました。外に出て見上げると、この免震ビルに渡り廊下がついています。渡り廊下の継ぎ目はジャバラとなっていて地震のゆれによる破壊を防止しています。
静岡新聞社製作センター地下の免震見学コーナー SBS放送センター地下の振動吸収ダンバー
SBS放送センターの渡り廊下とジャバラ
2.つぎに静岡県地震防災センターを見学しました。「地震防災センター」という名前の施設があるところはさすが静岡県です。中でも感心したのは津波タペストリー(著者が勝手につけた)です。写真に示しますが、東海地震発生の時に静岡県の各地をおそう津波の高さを実感できるものです。展示には津波のシミュレーションもありました。映像と模型によって実際の津波を疑似体験できるものです。映像は良いのですが、模型に物足りなさを感じました。津波のすごさは陸に近づくと急に潮位が高くなることですが、その点がうまく再現されると良かったと思います。海底地形の作り方に工夫する必要があるかもしれません。
 地震体験コーナーはおきまりのリニアバイブレータかと思いましたが、ここでは3次元的に揺するためにフライトシュミレータにも用いられているアクチュエーターを使っていました。なかなかうまく地震の感じを再現できていることに感心しました。最後に床がカタッと傾いて「家が壊れました」というのはご愛嬌。
 静岡県はTOUKAI-ZERO計画にも取り組んでいて、地震による家の倒壊を防ぐ方法が展示されていました。これらは公募して優秀であると認められたものばかりのようです。
静岡県地震防災センターの「津波タペストリー」
3.勉強会
 勉強会は地震防災センターにあるないふるホールで開催しました。以下の4つの講演を聴きました。
  • 川端信正 「静岡県でのマスコミの取り組み 四半世紀を振り返って」
  • 福和伸夫 「浜岡原発と地震 免震構造」
  • 小澤邦雄 「静岡県の防災への取り組み」
  • 鈴木康弘 「宮城県北部の地震」
静岡県地震防災センター、ないふるホールをお借りしての勉強会風景。講演者は福和先生。
4.懇親会
 懇親会は31名の参加で、静岡市内の江戸家という料理屋で行いました。東海地震の震源域で取れた(?)海の幸も大変おいしく、皆さん満足されたようです。
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