地殻構造探査学

データ解析演習(その1)

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準備

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データの内容の確認と表示

SUのデータは、トレース毎にヘッダと波形データからなっている。 トレースとは、1個の受振器で記録された波形の時系列データのことである。 ヘッダにはそのトレース(波形データ)に関する基本的な情報が記載されている。

データの各トレースのヘッダの値を知ることはデータを知る上で大切であるが、全部表示すると大量の数字が表示されることになる。 まず、ヘッダの値が取る範囲(最大値と最小値)を表示する。

事前の準備で使用したデータ Nstack.su のヘッダの範囲を表示する。

$ surange < Nstack.su
出力は以下の通り。
-----
2869 traces:                        : トレースの数
tracl    1 2869 (1 - 2869)          : トレース番号 (1〜2869)
fldr     0 3383 (1092 - 3383)       : 記録(震源)の番号
tracf    0 96 (1 - 96)              : 各記録にある受振点の番号  
ep       69 2899 (994 - 2899)
cdp      1 2869 (1 - 2869)          : CDP番号
cdpt     1
trid     1                          : データ種別 (1: 地震波形)
nhs      0 72 (40 - 5)
offset   -870 0 (-170 - -170)       : オフセット距離 (m)
ns       2250                       : トレース内のサンプル数
dt       4000                       : サンプル間隔 (micro second)
nofils   281 3149 (281 - 3149)
lcf      69 2899 (994 - 2899)
hcf      1
lcs      0 3383 (1092 - 3383)
hcs      0 96 (1 - 96)
year     0 207 (0 - 207)            : タイムスタンプ
hour     0 23 (0 - 3)
minute   0 59 (0 - 39)
sec      0 59 (0 - 57)
grnors   0 72 (40 - 5)
-----
各ヘッダが何を表しているかの詳細を以下で表示できる。調べるときに使おう。
$ sukeyword -o
今度は、演習に使用する波形データ Nshots.su のヘッダを表示する。
$ surange < Nshots.su
出力は(ファイルのサイズが大きいのでちょっと時間がかかる)以下のようになる。
-----
19057 traces:                              : トレースの数
tracl    39069 58125 (39069 - 58125)       : トレース番号
tracr    1 19057 (1 - 19057)               : トレース番号
fldr     1687 2012 (1687 - 2012)           : 震源の番号
tracf    28 96 (96 - 28)                   : 受振点の番号
cdp      900 1300 (900 - 1300)             : CDP番号
cdpt     1 69 (1 - 1)
trid     1 2 (1 - 1)                       : データ種別 (1:seismic, 2:dead)
offset   -2435 -170 (-170 - -2435)         : オフセット距離 (m)
scalel   -10000
scalco   -10000
counit   1
muts     0 11000 (0 - 0)
ns       5500                              : トレース内のサンプル数
dt       2000                              : サンプル間隔 (micro second)
day      206
hour     21 22 (21 - 22)
minute   0 59 (3 - 20)
sec      1 59 (45 - 3)
-----
トレース数は19057あり、各トレースには5500サンプルのデータがあることがわかる。

次に、各トレースのヘッダの値をいくつか表示させてみる。すべてのデータを表示し終えるまで延々と表示されるので、全部終了するまで待たずに、適当なところで Ctrl+C で出力を停めてよい。

$ sugethw key=tracl,fldr,tracf,cdp,offset < Nshots.su
$ sugethw key=tracl,fldr,tracf,cdp,offset output=geom < Nshots.su
データ中でトレースの並んでいる順番を確かめておこう。


データの選択と切り出し

演習に使用する波形データ Nshots.su は大きいので、その一部だけを表示させる。
$ suwind min=1 count=100 < Nshots.su | suximage perc=99 &
$ suwind min=101 count=100 < Nshots.su | suximage perc=99 &
$ suwind key=fldr min=1800 max=1801 < Nshots.su | suxwigb perc=99 &
$ suwind key=fldr min=1800 max=1801 tmin=6.0 tmax=8.0 < Nshots.su | suxwigb perc=99 &
次に、データセットを切り出す練習をする。 例えば、Nshots.su からCDPの値が 1090〜1110 までのトレースを取り出して cdp_test.su というデータを作る。
$ suwind key=cdp min=1090 max=1110 < Nshots.su > cdp_test.su
ヘッダの内容を表示する。
$ sugethw key=cdp,offset < cdp_test.su
データをイメージ表示する。
$ suximage perc=99 < cdp_test.su &
波形を見る場合は、
$ suxwigb perc=99 < cdp_test.su &
表示が真っ黒になるかもしれないが、一度にたくさんの波形を表示しようとするからである。ズームすると波形が見える。確認しよう。

図:ショット記録

ヘッダCDPの順に並び替えて表示してみる。

$ susort cdp < cdp_test.su | suximage perc=99 &


提出課題

作成したcdp_test.suを用いて、 並び替えと時間の切り出しの順序を入れ替えても結果が同じであればよい。 そして、 を提出しなさい。 マウスの操作で指定範囲のみをズームさせて波形を出力してはいけない。

サンプルファイルは不要なので消去しておく。

$ rm cdp_test.su

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Last modified: Wed Oct 18 18:51:10 JST 2023