INDEX PAGE MARKRAND TSS
会社MarkRand 社
電源AC100V ± 10% 以内
入力形式平衡入力、CMRR:-120dB以上
入力インピーダンス100KΩ、 RF (Rejection FIL) f0 = 3KHz以上
分解能4FFFFFh Bit/4.5V = 8.583E-7 V/bit
24Bit ComplementaryBinary であり、最大値 FFFFFFhBit では 7.2V に相当するが、保障しているのは±4.5V 迄である。
データ形式163.84HzSampling × 100Sec = 16384Data Points。但し [1-150,16334-16384] 番目のデータは [0] である。
最大取扱入力電圧±0.45V (トータルの増幅率を 20dB [前置増幅器のみ] とした時の値である)
前置増幅器20dB FIXED 、入力同相比:-120dB 以上
可変増幅器0・20・40・60dB (結局前置増幅器と併せてトータルで 20・40・60・80dB の選択肢がある)
AD コンバータ形式ΔΣ VariableOver Sampling
163.84Hz のサンプリング周波数を、163.84*1024倍 (167,772.16) Hz でオーバーサンプリングしている。各オーバーサンプリングポイントでは 1つ前のレベルとの差分のみを 1Bit分解能で記録して (つまり+1,−1のみ) 、その後デジタルフィルタリングを行いながら、163.84Hz に落とす。
デジタルフィルタ特性
フラットネスf1 = 61.47Hz / 0dB
遮断周波数f2 = 67.43Hz / -3dB
ストップ・バンドf3 = 81.92Hz / -130dB
AD Start TriggerGPS SYNCED 1PPS で行い、タイミングエラーは 1PPS に対し数μsec 以下である ( GPS LOCK & SYNC 状態で平均 2 〜 3μsec 以内、GPS UNLOCK 状態で 2×10E-7/sec 程度 [?] の誤差らしい )。
グループディレイ177msec (機器によって若干の違いがある様だ)
S/N120dB 以上
オフセット変化システム・ウォーミングアップタイム経過後、外気温度 15 〜 20 ℃の変動に対し、500μV 以下。
ローカットフィルタf0 = 0.5Hz/-18dB (付いて無いタイプの物もある)
PC とのデータ通信RS232C (25PIN、ストレート)
ピン配置図各チャンネル毎にあるコネクタのピン配置図 (電源は 1チャンネル当り最大 25mA である) と、地震計との接続例。

PIN名称シングルエンド地震計差動地震計
1差動入力 (−)センサー (−)センサー (−)
2信号復帰 (COM) 3ch間は繋がっているセンサー (−)センサー (COM)
3差動入力 (+)センサー (+)センサー (+)
4予約--
5F.G. (正面パネルの GND と繋がっている)シールドシールド
6F.G. (正面パネルの GND と繋がっている)--
7予約--
8電源 (−15V)--
9電源復帰--
10電源 (+15V)--

データサンプリングの流れ
  1. プログラムで指定された時刻に来たら、GPS SYNCED 1PPS によりトリガが掛けられ、AD が Start する。
  2. 但し最初の 150サンプル (0.916秒) の間は、キャリブレーションが行われる。これは AD コンバータ自身・可変増幅器のオフセットを計測してレジスタに記憶する。つまり前置増幅器・ ローカットフィルタ部はキャリブレーションされていない。但し電源投入後装置が安定状態に入った後の全使用範囲でのオフセット値が 1mV以下になる様に考慮されている。この 150 サンプルの出力には ALL ZERO Data が挿入されている。
  3. 16384 サンプル (98.779秒) のデータをサンプリングする。
  4. 最後の 50サンプル (0.305秒) の間は、次のスタッキングの AD Start の為にデータのサンプリングは行われず、出力には ALL ZERO Data が挿入されている。
0.5秒問題

スタートトリガを秒パルスのダウンエッジで行う TSS があり、それにより記録データは全て 0.5秒遅れて記録されている。これはアップエッジでトリガをかける様に変えれば直る。 MarkrandTSS ボックス内のボード (control board PW-H07020) の [J5] の DIP ( IC の事 ) の下のジャンパーピンを [BA ⇒ AC] に変えれば良い。
クロックの動作原理 (國友さんの 1999/09/28 のメールより )

Markrand TSS では、GARMIN の GPS エンジンから出力される 1PPS 出力に、同じ基板上の水晶時計を同期させ、 AD をスタートさせるための 1PPS パルスを作っている。この水晶時計は、 22 ℃の室内で大体 10^-6 以内程度のドリフトレートを持っている (大島さんは新しい GPS ボードには、もっと精度のよい時計を載せたと言っているが、室温 22 ℃一定の条件では、ドリフトレートは新しいのも古いのも同程度であった) 。 ある程度ドリフトすると自動的に GPS の 1PPS に合わせるようになっている。 サイクル機構では、現在新しい GPS ボードと古い GPS ボードをそれぞれ 2枚保有しているが、新しい方は約 3μ秒以上はずれない段階で校正されている。古い方の内 1枚は、約 6μ秒はずれない内に校正されている。古い方のもう一枚は、最大で 20μ秒ずれる。最大で 20μ秒ずれるものは、他の 3枚が GPS に対して進むセンスであるのに対して、これだけは遅れるセンスでドリフトしている。ずれ方も特徴的で、水晶時計のドリフトと思われる 2×10^-7 のずれの他、 突然 3μ秒とか 5μ秒ジャンプする ということがしばしばある。こうした動きを見ていると、マークランドの大島さんが言っていることはそのまま受け取れず、水晶時計の精度にあるのではなく自動校正のやり方に問題の本質があるように思える。
GPS エンジンの 1PPS をそのまま AD スタートに使わなかった理由も明らかでない。 GPS エンジンの水晶も、上の水晶も同程度のドリフトレートであるため、バックアップ時計の役割を果たさない。アンテナを外した際の、GPS エンジンからの 1PPS のドリフトは上の水晶のドリフトと似たようなものであった。なお、 TrueTime の 1PPS と比べると、この GPS エンジンからの 1PPS 出力は、系統的に 2μ秒程度進んでおり、このオフセットの周りに最大で ± 1μ秒程度の揺らぎが見られた (両者のアンテナが近くにあったため、干渉して 2μ秒のずれがあったなんてことがあるだろうか?他の機会に調査予定) 。
当面、古い方の GPS ボードを積んだ TSS は、 GPS エンジンからの出力を基準にして AD をスタートする方式で使うことを考えています (改造は自前で簡単に出来る) 。
[ 山岡さんの返事メール ] GPS エンジンの 1PPS は、衛星の切り替えなどの際に瞬間的に 1ミリ秒程度狂ったパルスを出すことがある と聞いていますが。その点は大丈夫ですか?この心配があるために (かつて森田さんがそのようなことを行っていた、また ACROSS の最初の頃に、 GPS 時計を使うと言ったら、そのことを指摘されました。そのためマークランド TSS では GPS からの 1PPS を用いていなかったのです。 TURETIME の時計もその対策をとってあります。現在使用しているボードは、ボードの段階で対策がとられているのかも知れません。
MarkrandTSS操作方法
  1. MarkrandTSS に地震計、PC を繋げる。MarkrandTSS (というか GPS 時計) はしばらく使っていないと電源投入後から、GPS SYNC になる迄に 10分以上かかる時もあるので、早めに電源を入れておこう。
  2. 使うプログラムは [nmark*.exe] である。 [*] には、ドライブを 1つ増やした時に付けられるであろうドライブ文字を入れる。例えば [A:(WIN)] , [B:(DOS)] , [C:(FDD)] のシステムなら、 [nmarkd.exe] とし、更に [D:(MO)] がある時には [nmarke.exe] とする (この指定されたドライブに RAM バッファが作られる) 。また、ソースは大抵 [A or B:\TSS\SOURCE\MIYAKAWA] にあり、パスは通してある。
  3. MarkrandTSS と PC を立ち上げた後に最初に [nmark*.exe] を立ち上げる時には、引数 ( 1文字なら何でもいい) を1つ付けて [nmark*.exe c] 等として立ち上げる。引数を付けることによって、PC の時刻を MarkrandTSS の GPS時刻 に合わせる。これを怠って GPS時 と PC の時刻がずれた状態でいると、プログラムがうまく動作しないので注意する事。
  4. [nmark*.exe] には 3つの選択肢がある。
    0: 一回のみのデータ取得
    1: 複数のデータ取得
    2: パラメータファイルを使用
    0) と 1) はキーボード入力でパラメータを設定し、2) はパラメータファイルを使用する。実際の連続観測では 2) を使い、ちょっとしたテスト等を行う時には 0) を使うと良い。
  5. 出力ファイル名は、 [outfile.000] という形式になり、拡張子の番号により、分割スタック数毎に出力されるファイルが識別される。例えば、総スタック数:3、分割スタック数:1 とすると、 [outfile.000] , [outfile.001] , [outfile.002]が出来る (この形式は ntss.h の flfmt[]="%s.%03d"; を変更すれば変えられる)。また、実行されたスケジュールのパラメータが保存されたファイル [outfile.prm] も出来る。
  6. このプログラムで必要なパラメータには以下の物がある。

    出力ファイル名拡張子以外の部分の名前
    総スタック数1つの設定スケジュールでスタックする数
    分割スタック数ファイルに出力する迄に行うスタックの回数。例えば総スタック数: 3 、分割スタック数: 2 だと、スタック 2回終了後、 3回終了後にファイルに [outfile.000] , [outfile.001] として出力される。よってこの数は総スタック数以下の数でないといけない。
    セーブ後のラムのクリア分割スタックが終わって次のサンプリングを行う時に、ラムバッファを 0にリセットするかしないか。例えば総スタック数: 3 、分割スタック数: 2 の時に作成されるファイル [outfile.000] , [outfile.001] の内の [outfile.001] の方は、ラムのクリアをしていると、スタック 1回分のデータとなり、クリアしてないとスタック 3回分のデータとなる。特別な理由がない限り (1) clear [ラムをクリアする] でよい。
    スタンダードゲイン画面に表示する波形の縦軸のスケーリングを決める。デフォルトの [5] のままでよい。
    アンプゲインコードノイズレベルによって何 dB にするか決める。 80dB はまず使わない。静かと思われる所なら 60dB、Noisyな所は 40dB で大体うまく行く。
    現在日時・スタート時 データサンプリングを開始する時刻を指定する。


  7. パラメータファイルとは、カレントディレクトリにある [TSS.PRM] の事であり、以下のようなフォーマットになっている。
    
        ************************************************************************
    
        *         PARAMETER FILE FOR MARKRAND TSS                              *
    
        *  OUTFILE   =  OUTPUT FILE NAME                                       *
    
        *  NSTACK    =  NUMBER OF TOTAL STACKS                                 *
    
        *  NSAVE     =  NUMBER OF EACH SAVES                                   *
    
        *  CR        =  CLEAR RAM DISK        (0:NO,1:YES)                     *
    
        *  SG        =  STANDARD GAIN                                          *
    
        *  AG        =  AMP GAINCODE        (0:20dB,1:40dB,2:60dB,3:80dB)      *
    
        *  YY        =  YEAR                                                   *
    
        *  MN        =  MONTH                                                  *
    
        *  HH        =  HOUR                                                   *
    
        *  MM        =  MINUTE                                                 *
    
        ************************************************************************
    
           OUTFILE  NSTACK   NSAVE  CR    SG  AG    YY    MN    DD    HH    MM
    
        AAAAAAAAAA BBBBBBB CCCCCCC DDD EEEEE FFF GGGGG HHHHH IIIII JJJJJ KKKKK
    
            abc000      35      35   1     5   2    97     9     7     0    30
    
            abc000      35      35   1     5   2    97     9     7     1    30
    
    
    最初の 15行はコメント行であるが、決して消さない事。プログラムの方で最初の 15行は読み飛ばす様にしている為。また 16行目からのパラメータの入力は 15行目の AAAAAAAAAA 〜 KKKKK の各文字の範囲内に書く事。このパラメータファイルを簡単に作る為のプログラム makepara.exe (PC98 のみで動作)、 makepara.m (Matlab Program) を作ってあるので使って下さい。
  8. 長期間連続観測するには 2つの方法があり、 [1] 1つのスケジュール (長い総スタック数と短い分割スタック数) と [2] 複数のスケジュール である。例えば 1週間を 1時間毎にスタッキングしていく時、 [1] では総スタック数 6048、分割スタック数 36 を行うのに対し、 [2] では総スタック数 35、分割スタック数 35 のスケジュールを 168 個作る。この場合 [2] 複数のスケジュールで観測する事を勧める。 [1] の方が、ずっとサンプリングし続ける事が出来る ( 1時間に [1] 36回、 [2] 35回スタッキング) ので、 S/N 比の面では有利となるが、スタート時にしかヘッダー情報を提供しないので、GPS が LOCK されているか等のチェックが毎時間出来なくなる為。
  9. 注意) プログラムを途中で [Ctrl + C] で終了させた時は、PC をリセットし、MarkrandTSS も赤い [Initialize] ボタンを押してリセットする事。
注意事項・その他


INDEX PAGE NIST-TSS
名称National Instruments & SunTechs - TSS
Suntechs Board
  • 1 枚 1万 5千円。
  • アンプとフィルターが組み込まれている。
Gain10 倍固定
LPF4 次 Bessel , 300Hz



INDEX PAGE パラサイトユニット
基本仕様
  • 1倍のアンプ (入・出力共に差動)
  • 温度特性の優れたもの
  • 信頼感のあるもの
電源・消費電流DC±15V , 100mA
入力チャンネル数3 (平衡)
出力分岐数2 (基本的には元々繋がっていた物と TSS に繋がる)
入力・出力インピーダンス1MΩ 及び 10Ω以下
入力・出力電圧共に最大 10V
アンプゲイン 1倍のみ ( 2段のアンプがあり、1・2段目共に -1倍 [反転増幅] していて、トータルで 1倍になる。 1段目は入力差動、 2段目は出力差動である)
フィルター無し
直線性0.001% , フルスケール程度以下
ノイズレベル500nV以下 (DC〜30Hz)
通常の地震計出力では 0.2〜1μkine 以下に相当
同相除去比 (CMRR)86dB (Common Mode Reduction Ratio)

疑問点・問題点


INDEX PAGE おんどとり
最大データ収録数4095 ( × 2ch 分 )
記録可能期間約 90日間
使用電池単 4アルカリ電池 2本
1 分間サンプリング約 2日 20時間 15分間もつ
5 分間サンプリング約 14日 5時間 15分間もつ
測定温度範囲-40 〜 110 ℃
測定精度平均 ±0.3 ℃ ( -20 〜 80 ℃ )
測定分解能0.1 ℃

記録開始の手順
  1. PC と温度取りをケーブルで繋いで、 PC 上で [ おんどとり for Windows ] を立ち上げる。
  2. [ 通信 ]-[ 記録予約設定 ] でスケジュールを組む。
  3. [ OK ] ボタンを押してスケジュールを転送する。
  4. 以上で完了である。
データ収録の手順
  1. PC と温度取りをケーブルで繋いで、 PC 上で [ おんどとり for Windows ] を立ち上げる。
  2. [ 通信 ]-[ 記録データ吸い上げ ] でデータを吸い上げる。
  3. 以上で完了である。


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