ゼラチンを用いた火山噴火実験は、既に多くのウェブ上で紹介されている(例えば産総研:高田さん)。私の母校である岐阜県立大垣東校等学校で2005年以降、毎年出張授業をする機会をいただいている。ここでは、2007年11月16日に行った授業を元に、授業のポイントを簡単にまとめておく。
・用意するもの(高校の担当の先生に用意していただいた)
ペットボトル(炭酸用で、でこぼこの無いもの)
ゼラチン
醤油および着色した水
注射器
・実験準備(高校の担当の先生に準備していただいた)
ペットボトルの底に注射器の針が通る程度に小さな穴をあらかじめ空け、絆創膏などで蓋をしておく。
ペットボトルの半分程度にゼラチンを作り、冷やしておく。
ペットボトルは1グループに4つ程度用意しておく。
密度比較のためのサンプルとして、ゼラチンを小さなビーカーに作っておくと良い。
醤油および水は小さなビーカーに用意しておく、水は着色しておくと良い。
・授業
火山の紹介や火山噴火のムービーなど、最初に「導入」をしておく。板書とパワーポイントを上手く使い分ける。また火山のマグマがなぜ上昇するか?について生徒からいくつかの仮説を立ててもらうのも良い。
- 密度の比較
- 「密度」という概念を理解させた上で、ゼラチン、醤油、水の密度を比較する
- 比較はゼラチンのかけらを醤油、水に入れてみればわかる。
- あらかじめ 醤油<ゼラチン<水 の順にしておくと良い。醤油より密度の大きい液体や、水よりも密度の小さい液体を用いても良い。
- 醤油と水を注射器を用いて別々のペットボトルの底から注入する。
- 注入するとどのようになるかを、生徒に予想させると良い
- 3ml程度が適当。
- 注入する際にはできるだけ泡が入らないようにする。
- 注射器の針に注意させる。
- 醤油を注入した場合と水を注入した場合の違いについて観察させる
- うまくいくと、水は上昇するが、醤油は上昇しないで横に広がる。
- 浮力によって上昇することを板書で理解させる。
- 浮力について説明することが必要
- 深さによる圧力差によって上昇するのが浮力
- 生徒のレベルに応じ、結果的にΔρgになることを理解させても良い
- 液体が板状になること
- 円筒なのに、なぜ板状になるか解説する
- 板の向きをコントロールする方法について生徒に考えさせる
- 押した場合、板がどちらに向くかを考えさせる
- 押す向きと、(1)平行、(2)斜め、(3)垂直、から手を挙げさせる
- 実験
- 解説
- いろいろな解説があるが、物理的には「自然は楽をしたがる」というのが良いだろう
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