2003年10月25日から2ヶ月間、主にハワイ島の火山観測所に滞在しました。どんな研究を行ったかは、学会などで発表しますが、ここではガイドブックなどで必ずしも紹介されない、ハワイ島(特にヒロ)について紹介します。
補追:2003年7月13-18日にヒロにおいてCity on Volcano conference 3(COV3)が開催されました。その時に得た情報も付け加えます。
溶岩を見る
現在のハワイ島は実際に流れている溶岩を見ることができる。溶岩はキラウエアから東に延びるEast rift zoneから流出しているが、時々によって流れる方向が変化する。運が良ければ車から降りてすぐに見ることができるが、運が悪いと2時間も歩く必要があったり、場合によっては見えない場合もある。したがって、その時々の情報は現地で集める必要がある。National parkの中にあるVisiter CenterやChange of crater roadの終点にいるpark rangerに尋ねると良い。2003年は自動車を降りてから0.5マイル程度道路を歩き、さらに1マイル溶岩の上を歩いた。しかし実際に赤く光って流れる溶岩をみると、その疲れもいっぺんに吹き飛んでしまう。実際に見られるのはパホイホイ溶岩と呼ばれ、水飴のように流れる溶岩である。表面には縄目模様ができることが多く、日本でも伊豆大島や富士山で見ることができる。しかし実際にその様な模様ができるところを自分の目で見るのは感激である。
ハワイ島で食事
外国に行くと食事が楽しみ、というか、日常生活の中で食事のことを考えている時間が長くなる。とくに一人でいくとその傾向が強い。私の滞在したヒロは結構気楽で治安のいい町だが、仕事から戻ってくると、食事のことを考えることになる。おもにB&Bに滞在したので、毎日外へ食べに出た。その経験を何かの参考になればと思い、残しておきたい。
全般にヒロは日系人が多いせいか、日本人には親しみやすい味付けである。またローカルフードの中にも日本からわたったものが見られる。サイミンはラーメン。ワンタンメンもある(ワンタンメンと発音すればよい)。焼きそば(チャーメン)もある。でもラーメンを音を立てずに食べるのは結構難しい。
日本風の食器も出てくるが、ほとんどプラスチックなのは、しょうがないか。量は一般には日本人には多すぎる。あれだけ食べていればやっぱり太るだろう。ただバンヤンドライブのホテル周辺のレストランの料理の量はやや少な目のように思える。 一人でレストランにはいるときは、グラスのワインを頼みながらゆっくり食べると、多少の量の多さは気にならない。白ならシャルドネ(やや辛口のさっぱりした味)、赤はメルローでもカベルネでもいい。
HILO
Ocean Sushi Deli ダウンタウンのキラウエア通り沿い。後述のMIWAに比べると安くすしが食べられる。ただし寿司屋の雰囲気はない。若いお兄さんがTシャツを着てすしを握っているのはなかなか違和感がある。みそスープはメニューにはないが頼むとちゃんと出てくる。アメリカ人は寿司を食べる前にみそスープを飲むらしい。コンビネーションメニュー(寿司の盛り合わせ)の種類が豊富で、十分おなかがいっぱいになる。向かいのTsumaniレストランのメニューも用意してあって、そちらを頼むことも出来る。向かいからラップをかけて届けてくれるところがおもしろい。お酒はなし。10ドルそこそこで済む。
Scraffle's HILOのダウンタウンからキラウエア通りを南に向かうと山側にある。日本の味が恋しくなったらここがおすすめ。本当に日本の味付けである。値段も10ドル以下で済む。お膳や食器に日本趣味を出す工夫をしているが、プラスチック製であるため、大学の生協食堂を思い出してしまう。
Miwa そっけない雰囲気のレストランの多いヒロにしては、きれいな落ち着いた雰囲気の店である。Hilo shopping centerの少し奥まった場所にあってちょっとわかりにくいが、内部の雰囲気はよい。日本料理の店を演出するために着物を着た日系のウェイトレスが働いている。中には寿司バーもあり、ちゃんと寿司屋の格好をしたおじさんが握ってくれている。あじもなかなかのものである。変な日本風味ではなく、ちゃんとした日本の雰囲気が恋しくなったら、おすすめ。値段は20〜30ドルくらい。
Ken’s 年中無休で24時間営業のみせ。何でもある。満員でないときはさっと料理が出てくる。ワンタン麺はなかなかおいしかった。10ドルそこそこで大丈夫。
Panda Express 中華料理のファーストフード。two (or three) item comboがおすすめで、チャーハンか焼きそばと好きなおかずを頼めばOK。味はなかなか良い。テイクアウト(to go)もできる。値段は5〜7ドルくらい。チェーン店で、サンフランシスコにもある。
Royal Siam ダウンタウンのmamo通り沿いにある。外側は小汚いが、中はちゃんとしたレストランである。カレーを食べたくなったらここにくることにしている。オードブルに進めてくれた春巻きは大変おいしかった。15〜20ドルくらい。
Cafe Pesto 宣伝をしている割には、あまりおいしいとは思わなかった。これは私の趣味の問題かもしれないが、日本で食べるイタリアンの方がずっとおいしい。シーフードドリアがおすすめと旅行ガイドに書いてある。確かにおいしいが25ドルと聞くとちょっとという感じ。ワインを飲みながら雰囲気を楽しむのはいいかもしれない。同じイタリアンでもPescatoreのほうがいいと思う。
New Chinese Restaurant ダウンタウンからキラウエア通り沿いにすこし南に行くと山側にある。ヒロにはあまり中華料理店がないから貴重な存在である。なかなかおいしくて、値段もそこそこである。大変おしゃべりなアメリカ人のおばさんと一緒に行ったので、あまり味を覚えていないが。
Dotty’s 普通のレストラン。プリンスクヒオプラザのJCペニーの入り口のすぐ横にある。週末の昼は結構込んでいる。味付けはくどくなくてよい。値段は15〜20ドルくらい。
McDonald 言わずとしれたファーストフードの世界チェーン。私は日本でもお世話になっているので、ここにくると日本を思い出す。少なくともヒロには5カ所のマクドナルドがある。バンヤンドライブとハイウェイ11号が交わるそば、プリンスクヒオプラザ、WALLMART内、プアイナコショッピングセンター、ヒロダウンタウンなど。もっとあるかもしれない。クリスピーチキンなど、日本にないメニューもある。
Burger King ダウンタウンからキラウエア通り沿いに南にいった山側にある。日本では入ったことはないが味はなかなか良い。
Uncle Billy's Steak House バンヤンドライブのナニロアとヒロハワイアンの間にある。ディナーには生のシンガーとフラショーをやっていて気楽に楽しめる。平原(やっさん)とはいったのだが、彼はリブ、私はステーキを頼んだ。あっと驚く大きさででてきて驚くが、味はなかなか良く、ステーキ好きにはおすすめ。値段は20〜30ドルくらい。
Banyan Hibachi バンヤンドライブのナニロアホテルの隣にある。基本的に中華的な味付けであるが、中華であることは全面には出していない。中華的なので味も安心していられる。値段は15〜20ドルくらい。
Seaside Restaurant バンヤンドライブのホテル街から南に5分ほど車で走った右側にあるレストラン。自前のいけすの魚を料理してくれる。料理法にバリエーションはあまり無いが、魚はなかなかおいしい。でも魚の頭は左にしてほしい。
Volcano village
Surt’s 洋食とアジア料理と両方を出してくれる。雰囲気、味ともによい。おまけのオードブルの餃子は大変おいしかった。値段は20ドルくらい。
Lava Rock Cafe 比較的安い値段で満足できるレストラン。ナマのギターボーカルがついてなかなか雰囲気も良い。庶民的な感じのお店。値段は10ドルくらい。
Volcano house 日大習志野高校の修学旅行のボランティア通訳を買って出たときにここで昼食をとった。どさくさでおごってもらったので値段はわからない。昼はブフェなので、好きなものをとればよい。ブフェといっても内容は豪華で味もよいが、昼は観光客で大変混雑する。
Thai restaurant こんな店がVolcano Villageにあるのかと思わせる雰囲気のいい店。ヒロのRoyal Siam より外見も内装もずっときれい。味もなかなか良い。ここでもカレーを食べた。カレーはココナッツミルクで味付けをしてあるせいか、やや甘いので、スパイシーな味付けを頼んだ方がいいかもしれない。
Volcano golfcourse ゴルフコースに併設されたレストラン。夕食はない。サンドイッチから、焼きそばまである。ソーメンサラダは日本の冷やし中華のような感じである。焼きそばもあるが日本で言うと屋台で食べるようなものが出てくる。これをレストランでかしこまって食べるのは変な気分である。10ドルくらい。
ハワイ島に泊まる
Kilauea Military Camp アメリカ軍の保養所。キャビンが主体でゆったりと泊まることができる。軍人(退役を含む)はやすく泊まれる。日本人は直接には予約できないが、軍関連か、政府関連に知り合いがいれば予約してもらえばよい。私は、HVOの友人に予約してもらった。たまたまカフェテリアが改装中だったため、食事がひどくそうそうに退散した。カフェテリアは12月には再開していた。売店の品物も安く、コインランドリーもヒロの半額以下で、部屋代(74ドル〜)以外は全体に安く過ごすことは出来る。ただ長期滞在すると、食事のバリエーションが少なくてだんだんいやになる。2週間が限界か。
Holmes’ Sweet Home Hilo の Bed and Breakfast。 KMCを脱出して、ここに3週間泊まった。日本で言うと民宿という感じ。客室は2つしかないが、各部屋にバスルームがついていてよい。また共通の広い居間(Sitting room)があって、気持ちがよい。ヒロの高台(標高200mくらい)にあるため、涼しくすごしやすいが、ヒロの中でも雨が多め。宿のご主人と奥さんのJohn, Charlotteはたいへん気さくでやさしい人で、アットホームな雰囲気がたいへん居心地がよい。60ドルまたは70ドルでパパイヤのついた朝ご飯付き。おすすめ。長期宿泊の場合には,もっと値引きをしてくれる.
Hawaiian Naniloa Resort 至ってシンプルなホテル。ロビーがオープンなのはきもちがよい。聞くところによると、これはツナミが来たときに波が抜けるように作ってあるそうだ。値段は安めで、インターネット料金のスタンダードが(ガーデンビュー)が$70。すばる料金(すばるの紹介)だと$65でオーシャンビューらしい。へやに冷蔵庫があるといいのだが。コインランドリーもあるが、数が少ないので、車を持っていたら市内のコインランドリーに行った方がいい。地下(といっても海側は地面のレベル)のレストランは、値段も手頃で味も雰囲気も良い。夕食の予算は20ドルくらいで大丈夫。朝食はバイキングが9ドル。コンチネンタルが5ドル程度。
Hilo Hawaiian Hotel 家族がきたときに泊まったホテル。前述のNaniloaと双璧のヒロのリゾートホテル。内装はNaniloa よりもよいが、少し高めである。ここは部屋に冷蔵庫がある。レストランも雰囲気はよいが、Naniloa のレストランとは好みが分かれる。
洗濯
Tyke's 長期滞在すると洗濯が必要になる。キラウエア通り沿いのScraffle の隣に大きなコインランドリー(Laundromart)がある。洗剤も売っていて、一個50セント。洗濯は1.25ドル。乾燥は6分25セントという感じだが、1.25ドルで30分回さないとジーパンは乾かない。いろいろな人が洗濯に来るが、治安が悪いと言うことはまったくなく安心して洗濯できる。3ドルで洗濯は終了。もちろんKMCのコインランドリーよりはずっと高い。
レンタカー
ハワイ島は公共交通機関がほとんどないため、移動はツアーかレンタカー(場合によってはタクシー)に限られる。日本と違い右側を走るので大変とまどう。なれないうちは交差点を曲がったとたんに左側を走りそうになる。最初は「右、右」と呪文を唱えながら走るとよい。それでもレンタカーにより格段に行動範囲が広がるので是非利用をおすすめしたい。日本の免許証だけで借りられ、国際免許証の用意は必要ない。ただし原則25歳以上である。レンタカーの値段はいろいろあってよくわからない。長期なら日本で旅行社を通じて予約すると安く借りられる。私はダラーレンタカーでエコノミーをかりたが、1週間142ドル!というめっぽう安い価格になった。自動車の保険は馬鹿にならず、full protection だとほとんどレンタカー代と同じになる。長期の場合には日本の旅行保険にレンタカーオプションをつけておいて、それを利用したほうが安くあがる。
観光
リリウオカラニ庭園 バンヤンドライブ沿いにある日本風の庭園。なかなか雰囲気はよい。庭園内に伊豆大島とハワイ島ヒロが姉妹都市という石碑が建っていた。両方とも玄武岩の火山で似ているためであろう。石碑にはハワイ島と伊豆大島が同じ大きさで刻んであった。実際には小錦と幼稚園児よりももっと差があるのだが。
ツナミ博物館 ダウンタウンにある。ヒロは1946年と1960年に2度にわたり大きな津波に襲われた。その体験を後世に伝えるために建てられている。5ドルだがなかなか見ごたえがある。
サドルロード レンタカーでの走行が(レンタカー会社により)禁止されている場合が多いが、ダラーレンタカーの契約書には何も書かれていなかったのでドライブをしてきた。レンタカー会社のコントラクトによって異なるが、気象条件の悪いときに走ってはいけないというような記述もあった。私の場合には、快晴だったせいかまったく問題なく気持ちのよいドライブができた。ヒロから見て晴れている場合にはこの道を通ってコナに抜けた方が、北まわりよりはずっと気持ちがよい。
キラウエア火口 言わずと知れたハワイ島観光のハイライト。ジャガー記念博物館の裏にハワイ火山観測所がある。午後になると日本人の団体客が観光バスでどっと押し寄せ、どこの国だかわからない状態になる。かつては、ジャガー記念博物館から真っ赤な溶岩湖が見えたそうだが、今は、噴火の中心がずっと東のPuuOoに移っている。それもほとんどの溶岩が溶岩トンネルと通って直接海岸に出るため、赤い溶岩を見られるのはよっぽど運のいい場合である。
ヒラノストア ヒロから行くとハイウェイ11号の20マイルポストのちょっと手前の右側にあるお店。ハイウェイ11号から唯一PuuOoが見える場所。天気が良ければちょっと買い物をして、駐車場から眺めるとよい。
ハプナビーチ ハワイ随一のビーチとして名高い。ヒロからは北回りで2時間ほどのドライブ。広々とした白砂が広がり、晴天とあいまって大変気持ちのよい海水浴ができる。海岸がひろいので混雑は全くない。ただし、午後から駐車場が混雑し始める。更衣室、シャワー、トイレ完備。監視員も常駐。安心して楽しめる。
ヒロのダウンタウン 普段は人気があまりないが、土曜日には比較的人出が多い。水曜と土曜日にはFramar's Market がひらかれ、混雑する。花や野菜・果物が安い値段で手に入り、見ているだけでも楽しい。道を挟んで反対側にはフリーマーケット(だと思うが)開かれる。
ヒロの雨 ヒロは雨の多い町である。年間の雨量が8000mmとかいわれる。朝はれていたと思うと、夕方はにわか雨になったりすることはざらなので、傘は手放せない。スーパーやレストランから自動車に移動するだけでもびしょぬれになることもある。また非常に局所的に雨が降ることがおおく、micro climatology! とPaul Okubo が笑っていた。自動車で1マイルも走ると、雨の領域から晴れの領域に抜ける。とにかく油断ならない。けれどもこの雨のおかげで、湿度が適当に高く、かつ海洋性のためさほど暑くなく、人間にとっては快適な湿度である。また緑も多く、落ち着いた景色を与えてくれる。長期滞在するならばコナよりはヒロの方がよさそう。
ヒロの洪水 そのヒロも今年(2000年)11月1日から2日に降った雨は、今世紀最大級のものだったようだ。いつもはほとんど水の流れていない渓流が濁流と化し、カメハメハ通りは流れ込んだ濁流によって水没してしまった。また市内の幹線の一つであるコモハナ通りが濁流に流されて1月以上たっても通行止めのままである。Volcanoとコナを結ぶハイウェイ11号もパハラで道が流され、1週間くらい通行止めだった。1ヶ月以上も回り道を使っているようだ。