第8回:
今回は、個人発表をしてもらった。せっかく一生懸命やってくれたので、それぞれの講評をすべきであったが、十分な時間が無かった。そこで、この場で氏名を伏せて講評をしておきたい。
- Kさん 「緊急地震速報とは」
日本沈没の中で既に取り入れられていた「緊急地震速報」に興味を持って調べた様である。緊急地震速報は、なかなか理解するのが難しいが、気象庁ホームページなどの情報をもとに、簡潔にまとめてあった。今回は時間が短かったのであるが、もう少し掘り下げて調べると良かったと思う。
おそらく、調べ終わった直後であろうが、岩手・宮城内陸地震が発生し、直下型地震に対する緊急地震速報の限界も明らかになった。その感想として、「緊急地震速報があるから安心できる」という考えは「甘い」と、自分の言葉で表現したことが良い。
- Iさん 「潜水艇深海2000&6500」
一口で言えば、聞きごたえのある発表であったと言える。基本的には深海調査艇「しんかい」の紹介であったが、いろいろな側面からのまとめ、また新旧のしんかいを比較しながらの発表であり、立体感のある話になっていた。また写真や図をもちいて、わかりやすくまとめられていた。若干時間が長すぎたので、今後は時間を意識してまとめる練習も必要である。
- Tさん 「地震による被害とその対策」
地震の被害としてはどのようなものがあるか、またどのような対策が必要であるか、について簡潔にまとめられていた。また緊急地震速報についてもKさんとは異なった視点を取り入れた報告となっており、良かったと思う。またきちんと出典も明記されていたのは大事である。まとめで「個人の対策が最も重要」ということであったが、その根拠を示すと良かった。
- Tさん 「地震予知ー地震雲についてー」
地震雲という、地震予知としては非科学的テーマで始まったので、いったいどうなることかと思った。始めは地震雲についての解説を進めていったのであるが、途中で地震雲に元ずく地震発生予測の検証を行ったのは良かったと思う。ネットや本でまことしやかに流れる地震雲であるが、実際に地震のデータから自分で検証したことは評価に値する。写真や図を多用し、わかりやすくまとめられていた。
- Tさん 「日本沈没と災害心理学」
災害発生は人間の内面にどのように影響を与えるかという問題に取り組んでいる。内容もよく調べられており、聞き応えがあった。全体として、災害心理学に関する重要な内容がコンパクトにまとめられてあった。時間の制約のせいもあるが、いくつかについて具体例を織り交ぜると良かったと思う。心理学という内容であったため、図や写真が少なめだったが、短いフレーズで用いて簡潔にまとめられていたことは良い。