第3回 地球の内部を造る物質についてもう少し定量的に考える

3.1 地球の内部を知る手段
  地球の内部を調べる手段は、地震波(弾性波)、電磁波、重力などの物理量を計測して調べる手法、地球内部の温度圧力条件で物質を合成して調べる方法、また地球や地球を回る天体の動きを観測して調べる手法があります。

3.2 地震波による地球内部構造の推定
地球の内部構造を詳しく調べる手法として、最も発達したのは地震の波を使って調べる手法です。
地震波にはP波とS波があり、それぞれ伝わり方が異なります。S波は液体の中を伝わりません。
地震が起きた場所から時間とともにどのように波が伝わっていくかを示したものを走時曲線と言います。走時曲線から地球内部の地震波速度構造を推定します。

3.3 地球内部を構成する物質からの考察
太陽系の元素存在度のうち、固体になるものを多い順に並べると、Mg, Si, Feとなります。
このうちMgとSiの酸化物はマントルとなり、Feがコアとなるとすると、地球質量のうちコアの質量は1/3程度となります。これは地震学的に推定したコアの密度から計算したコアの質量の割合と一致します。
その他元素は、親石性元素と親鉄性にわけられます。親鉄性元素は、マグマオーシャンができたときに鉄と一緒にコアに行ってしまい、マントルでの割合は宇宙存在度に比べてかなり低くなります。比較的量の多いNiも親鉄性げんそであるため、コアに入り込んだと考えられています。したがって、コアは鉄とニッケルの合金と考えることもできます。

3.配付資料

授業で話をするキーワードをまとめた資料(A4一枚)を配付します.
配付したものと同じものをpdfでダウンロードできます。

板書(にする予定のもの)を見ることができます。
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4.板書pdf版


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