NGY地震学ノート No.72

Apr. 7, 2021
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析◆ --------------------------------------
3月20日宮城県沖の地震(M6.9)
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● 概略・特徴: 3月20日18時09分頃(JST),宮城県沖でM6.9の地震が起こりました.

気象庁による速報震源は次の通りです.

    発生時刻          震央          深さ   M
 21/03/20 18:09:44.8  (JST)  38.467°N  141.627°E   59 km   6.9

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録を用いて解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (212,61,92)/(28.29.86)
 地震モーメント  Mo  =  7.8 x10**18 Nm  (Mw = 6.5)
 深さ          H  =  10 km
 最大すべり量      Dmax = 1.3m

●解釈その他:沈み込む太平洋プレート境界の地震です。破壊は浅い方向に進みました。 この付近ではたびたびM7クラスの地震が起きています。過去にこの付近で発生したM7以上 の地震のすべり分布を図2に示します。今回の地震のアスペリティは1978年宮城沖地震 (緑のコンター)よりやや深かったようです。

図2 宮城沖での過去の地震のすべり分布。赤のコンターが今回の地震。コンター間隔は 見やすいように地震によって変えている。なお、点線で書かれたものは2011年東北地方 太平洋沖地震(赤い星)のサブイベントのアスペリティの位置を示している。私の解析 (NGY地震学ノート No.36学会発表版参照のこと) では2011年の地震は複数の地震の連動に よって起こった地震であり、宮城沖でも複数のアスペリティが時間差をもって破壊して いる。それらの大まかな位置を示したのが点線で、浅い所にあるアスペリティから順に 破壊した。1978年のアスペリティも2011年の地震ですべっている。これらのすべりの和が オレンジのコンターになる。

(文責:山中)