NGY地震学ノート No.67

Nov. 12, 2017
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析◆ --------------------------------------
11月12日イラン-イラク国境付近の地震(M7.3)
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● 概略・特徴: 11月12日18時18分頃(UT),イランイラク国境付近でM7.3の地震が起こりました.この地震で140名を超える方が死亡,負傷者も1000人を超える被害がでているとのことです。
(死者は500名以上、負傷者8000人以上という大惨事になってしまったとのことです。さらに増える可能性があるようです。[産経新聞より] 11/14 加筆)


USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央        深さ   M
 17/11/12 18:18:17  (UT)  34.886°N  45.941°E   23 km  7.3

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動59)を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (358,16,145)
 地震モーメント  Mo  =  1.0 x10**20 Nm  (Mw = 7.3)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  15 s
 深さ          H  =  18 km

●解釈その他:アラビアプレートとユーラシアプレートの境界で発生した地震です。 規模が小さくほとんど点震源で説明ができてしまうような地震であるため,どちらの 節面が断層面かを明確に判断することはできませんが,低角逆断層の方が波形の一致は よいようです.

(文責:山中)