NGY地震学ノート No.66

Sep. 21, 2017 (Sep. 24, 修正)
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(修正版)◆ --------------------------------------
9月19日メキシコ地震(M7.1)
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● 概略・特徴: 9月19日18時14分頃(UT),メキシコでM7.1の地震が起こりました.この地震で270名を越える死者がでているとのこと。まだ捜索が続いており、死者はまだ増えそうな状況です。10日前に海溝付近で大きな地震が起きたばかり。心配です。


USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央        深さ   M
 17/09/19 18:14:39  (UT)  18.584°N  98.399°W   51 km  7.1

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動56) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (102,43,-96)
 地震モーメント  Mo  =  5.7 x10**19 Nm  (Mw = 7.1)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  20 s
 深さ          H  =  44 km

●解釈その他:沈み込むプレート内で発生した正断層の地震です。深さが深く、震源過程としては比較的単純です。(波形のあい具合をみるともう少し複雑のようには思えますが)メキシコシティで多くの建物が倒壊しているようです。メキシコシティは地盤が悪く、これまでも地震の大きな揺れで被害がでているところです。
この地震が起きた日はちょうど熊本で開かれていた火山学会に参加中で,内陸で発生した地震にしてはやや深いかなと思いつつも内陸地震と書いてしまいましたが,実際には沈み込むプレート内で発生した地震だったようです.メキシコ付近の地震分布を図2に示します.色は地震発生の深さを示し,赤:50km以浅,オレンジ:50-100km,緑:100-200kmとなっています.今回の地震は黄色い★の位置です.この図をみるとプレートの沈み込みに伴う地震が今回の地震付近では深さ50-100kmであることがわかります.メカニズム解が正断層であることから,沈み込むプレートの境界ではなく,プレート内の地震であると考えられます.そう考えると,今回の地震の波形が比較的単純で,破壊域も狭く応力降下量も大きいという結果と調和的です.


図2 USGSによる2000-2015年に発生したM4以上の地震の分布図

(文責:山中)