NGY地震学ノート No.65

Sep. 11, 2017
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
9月8日メキシコ地震(M8.1)
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● 概略・特徴: 9月8日4時49分頃(UT),メキシコ沖でM8.1の地震が起こりました.この地震で90名の死者がでているとのこと。まだ捜索が続いており、死者はまだ増えそうな状況です。心配です。


USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央        深さ   M
 17/09/08 04:49:21  (UT)  15.068°N  93.715°W   69.7 km  8.1

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動53) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (314,80,-121)
 地震モーメント  Mo  =  1.5 x10**21 Nm  (Mw = 8.0)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  40 s
 深さ          H  =  45 km

●解釈その他:北米プレートの下に沈み込むココスプレート内で発生した地震です。 今回の地震でメキシコ南部オアハカ州などで最大約1mの津波が観測されています。震源がやや深いため大きな津波が発生しなかったと思われます。

今年初めてのNGYノートです。今年はM7を越える地震がとても少ないです。 100km以浅の地震では7月にアリューシャンで起きた地震と今回の地震くらいです。 2016年、2015年は各13個起きています。

(文責:山中)