NGY地震学ノート No.62

Oct. 22, 2016
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
10月21日鳥取県中部の地震(M6.6)
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● 概略・特徴: 10月21日14時07分頃(JST),鳥取県中部でM6.6の地震が起こりました.この地震で倉吉市などで震度6弱を観測しました。建物への被害、けが人なども出ています。


気象庁による速報震源は次の通りです.

    発生時刻        震央        深さ   M
 16/10/21 14:07:23  (JST)  35.38°N  133.86°E   11 km  6.6

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動42) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (340,89,-8)
 地震モーメント  Mo  =  1.8 x10**18 Nm  (Mw = 6.1)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  5 s
 深さ          H  =  5 km

●解釈その他:横ずれ断層型の浅い地震です。規模は小さいので遠地実体波 では限界ぎりぎりなので、あまり波形のあいはよくないですが、特徴は押さえて いると思います。気象庁による余震分布(図2)より北北西の走行を持つ節面が メインの断層のようです。断層長は15km程度、震源の深さは5km程度とかなり浅かった ようです。

は本震の震央、は 気象庁による余震分布

(文責:山中)