NGY地震学ノート No.42

Sep. 01, 2012
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
8月31日フィリピン沖地震(M7.6)
----------------------------------------------------------------

● 概略・特徴: 8月31日12時47分頃(UT),フィリピン沖でM7.6の地震が起こりました.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻         震央          深さ      M
 12/08/31 12:47:34  (UT)  10.838°N   126.704°E   34.9 km   7.6

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動66) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します。逆断層の地震です. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (345,43,63) 
 地震モーメント  Mo  =  3.91 x10**20 Nm  (Mw = 7.6)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  20 s
 深さ          H =  37 km
 最大滑り量       Dmax =  7 m

●解釈その他:沈み込むプレート内の地震と考えられます.西傾斜の断層でも 計算してみましたが,東傾斜の方が波形のあいがよいのでこちらを断層としました. 日本でも津波注意報がでましたが,フィリピンでも津波は小さかったようです.


は震央.赤いコンターは滑り分布.はUSGSによる余震分布

(文責:山中)