NGY地震学ノート No.41

Apr. 11, 2012
名古屋大学地震火山研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
4月11日スマトラ北部沖地震(M8.6)
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● 概略・特徴: 4月11日08時38分頃(UT),スマトラ北部沖でM8.6の地震が起こりました.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻         震央          深さ      M
 12/04/11 08:38:37  (UT)   2.311°N   93.063°E    22.9 km   8.6

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動62) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します。左横ずれ断層です. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (17,73,-1) 
 地震モーメント  Mo  =  4.59 x10**21 Nm  (Mw = 8.4)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  40 s
 深さ          H =  34 km
 最大滑り量       Dmax =  15 m

●解釈その他:横ずれの地震だったので大きな津波にはなりませんでした。 今回の地震の少し左に東経90度海嶺というほぼ南北に延びる海嶺が存在します。 この地震のあと,M8.2の地震がこの断層のさらに南で起こりました。 下図は重力異常図です。

Gravity anomaly< (Gaina et al. 2003より)

(文責:山中)