NGY地震学ノート No.37

Apr. 8, 2011
名古屋大学地震火山・防災研究センター

◆遠地実体波解析(暫定解)◆ --------------------------------------
4月7日宮城沖地震(M7.4)
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● 概略・特徴: 4月7日23時32分頃(JST),宮城沖でM7.4の地震が起こりました.
USGSによる速報震源は次の通りです.

    発生時刻         震央          深さ      M
 11/04/07 14:32:41  (UT)  38.253°N   141.640°E    49 km    7.1

●データ処理: IRIS-DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動63, S波9) を用いて 解析しました.
●結果: 結果を図1に示します。どちらの断層面かは はっきりしませんが,多少残差のよくなった解を示します. 震源パラメータは次のとおりです.

 走向、傾斜、すべり角 =  (15,37,79) 
 地震モーメント  Mo  =  5.54 x10**19 Nm  (Mw = 7.1)
  破壊継続時間(主破壊) T  =  10 s
 深さ          H =  60 km
  断層面積    S = 20 km x 20 km
 応力降下    Δσ = 2.5 Mo/ S**1.5 = 17 MPa

●解釈その他:プレート内地震のようです.下図は今回の地震(赤),3/11の地震(紫), 2005/08/16の地震(緑),1978年の地震(青)のすべり分布を合わせて示しています.コンター 間隔は地震によって異なります.今回の地震については気象庁の震源の速報値から破壊が 始まったとしてプロットしています.

すべり分布

赤いコンターが今回の地震.

(文責:山中)