Windows PCでSeismic Un*xを使う方法

これまでにWindows PCでUnix上の作業ができる環境をいろいろ試してきた。 Cygwin + X は本格的な実用に耐えないと思う。coLinux には満足して重宝していたが、 64bit OSに対応していないので別の方法を試さざるを得なくなった。 また、インストールや設定が(特に初心者に勧めるには)簡単とは言えない。

これまでのところ VirtualBox + Linux (ubuntu) が最もインストールや設定が簡単であった(私は普段 VirtualBox + Linux (Debian)を使っています)。そこで、

Windows PC上でSeismic Un*xを使う「これまでのところ最も簡単かつ本格的な」方法

Seismic Un*xに限らず「1台のPCでWindowsとLinuxの2台のマシンを同時に使う」方法と言う方が正しいです。
※例えば、仮想画面ソフトを使用すれば、画面の切り替えでWindowsとLinuxの2台のマシンを切り替えて同時に使用している感じになります。
  1. Linux環境の構築
    1. VirtualBoxのインストール
    2. Linux (Ubuntu)のインストール
  2. Seismic Un*xのインストール
  3. WIN, GMTのインストール


VirtualBoxのインストール

VirtualBoxのインストールについては、例えば以下のサイトに詳しい説明がある。 これを参照しながら、ファイルを Oracle VM VirtualBox Downloads からダウンロードし、インストールする。

Linux (Ubuntu)のインストール

好みのOSを仮想化できるが、Linuxディストリビューションの中では Ubuntu日本語サイトに仮想ハードディスクイメージとVirtualBox向けの解説が用意されており、 これを使うのが最も簡単。下記からダウンロードする。 上記ダウンロードサイトのほか、 を参考に、ダウンロードしたzipファイルを展開し、VirtualBoxに仮想マシンを追加する。

Linux (Ubuntu)の設定

Windowsとのファイル共有

ファイルやディレクトリにWindows, Linux双方のOSからアクセスできると便利。
※特に私はOpenOfficeを使っているので、どちらのOSででも作業できて便利。

例えば以下を参照し、Guest Additionsをインストールする。

上記はちょっと古いので追記。画面にCDのアイコンが表示されたら、
$ cd /media/cdrom0
$ sudo sh VBoxLinuxAdditions-x86.run
下記を参考にファイル共有の設定をする。
$ sudo mkdir /mnt/winhome
$ sudo mount -t vboxsf windowsのdirectory /mnt/winhome
$ ln -s /mnt/winhome ~/winhome
としておくと、Windowsの"windowsのdirectory"フォルダ以下をLinuxで"~/winhome"ディレクトリとして使用できる。

パッケージのインストール

デフォルトでインストールされていないパッケージを追加するには、 Ubuntuのメニュー「システム」 > 「システム管理」 > 「Synapticパッケージ・マネージャ」を使うのが簡単。Seismic Un*x, GMTで必要なパッケージもこれで導入する。 私は、例えば、 などを追加している。


Seismic Un*xのインストール

追加が必要なパッケージ

インストール

Seismic Un*xのサイトからソースをダウンロードする。
cwp_su_all_version.tgz (2010.12現在 version=42)
インストールは通常通り、
$ sudo mkdir /usr/local/cwp
$ sudo chown myusername /usr/local/cwp
$ export CWPROOT=/usr/local/cwp
$ cd $CWPROOT
$ tar -zxvf /path/to/download/file/cwp_su_all_version.tgz 
$ cd src
通常は $CWPROOT/src/Makefile.config を環境に合わせて編集するが、 この環境ではデフォルト通りでよく編集の必要はまったくなかった。
$ make install
$ make xtinstall
~/.bashrcを編集し以下の環境変数を設定・追加する。
export CWPROOT=/usr/local/cwp
export PATH=$CWPROOT/bin:$PATH
これでOK。 (FortranやMotif, OpenGLのコードを使用するならそれぞれ別途設定する)


(おまけ)WINのインストール

WINのサイトからソースをダウンロードする。
WIN_pkg-version.tar.gz (2010.12現在 version=1.2.8)
インストールは通常通り、
$ sudo mkdir /usr/local/win
$ sudo chown myusername /usr/local/win
$ cd /path/to/download/file
$ tar -zxvf WIN_pkg-version.tar.gz .
$ cd WIN_pkg-version
$ ./configure --prefix=/usr/local/win
$ make
$ make install
~/.bashrcを編集し以下の環境変数を設定・追加する。
export PATH=/usr/local/win/bin:$PATH
これでOK。

(おまけ)GMTのインストール

追加が必要なパッケージ

インストール

詳細は他のサイトを参照のこと。

GMTのサイトで GMTparam.txt を作成する。 install_gmt.shをダウンロードし、

$ sudo mkdir /usr/local/gmt
$ sudo chown myusername /usr/local/gmt
$ sh install_gmt.sh GMTparam.txt
~/.bashrcを編集し以下の環境変数を設定・追加する。
export NETCDFHOME=/usr/lib
export PATH=/usr/local/gmt/bin:$PATH
export MANPATH=/usr/local/gmt/man:$MANPATH
これでOK。

注意: SUとGMTとで一部のコマンド名が重複する (pscontour, psimage) ので、PATHの指定順序に注意すること。

注意の補足: GMT 4までの障害。GMT 5 (2011) ではこの問題は回避されている。


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Toshiki Watanabe, RCSVDM, Nagoya University.
Last modified: Wed Apr 01 17:54:40 +0900 2015