今回のゲストは国土交通省中部地方整備局河川部長の細見寛(ほそみゆたか)さん。業界では言わずと知れた存在です。
何を考えたのか細見さんは、去年「中部地方の天変地異を考える会」の設置を発案、そして先週、おそらく日本のお役所史上はじめて「天変地異」という言葉がタイトルに入った報告書(提言)が中部地方整備局長に提出されました。
考える会のメンバーはほとんど防災関係の専門家・権威・大御所ばかり、しかし異色のクライシスノベリスト石黒燿(いしぐろあきら)さんや超小物の駆け出し教授などもメンバーに入ってバラエティに富んだ議論が行われました。
スーパー伊勢湾台風、東海・東南海・南海地震同時発生、富士山大爆発、集中豪雨・平成の大渇水などが起きる可能性があること、それどころかそれらがいくつか同時や時間差で起きる可能性もあることを検討、日本経済の中枢である中部地方は実はいつもそんな危険にさらされていることを、市民も社長さんも町長さんも校長先生も、世の中のすべての人が知る必要があるということを提言しました。
今回のNSLでは、そんな会を思いついた”変な”役人の細見さんをゲストに迎え、なぜ考える会を作ったか、この提言の狙いはなにかなどのほか、委員会のメンバー同士がマイクを奪い合って一触即発になった場面など裏話もお話しいただきます。
NSLメンバーも、これをきっかけに中部地方の天変地異を考えるチャンスになると思います。今回のお土産の資料集は、おそらくりっぱな防災文庫になります。
ではよろしく。

隈本邦彦(北海道大学科学具術コミュニケータ養成ユニット特任教授)