第1回

2017.4.17

1. 地球科学は身近な科学=人類生存のための科学

今、そして将来、我々人類が直面する課題とはなんでしょうか。
環境、エネルギー、自然災害、これらはすべて地球科学が対象とする課題なのです。
環境問題の代表的課題である温暖化は、地球全体のシステムを理解することではじめて解決の方向が明らかになります。
エネルギーについても、化石エネルギー資源、地熱エネルギー資源、太陽光・風力エネルギーなど、我々の向かうべき方向は、
やはり地球システムの理解無しには議論することはできません。地球がどのくらいの人口を養うことができるかという問題
も、資源・エネルギーを基礎とした地球システムの理解の元に明らかになるものです。
地震・火山・風水害も地球の営みの中で発生する現象を解明し、理解することで解決を図る必要があります。
経験に基づく対処療法は、我々の寿命の長さの制限の中でしか役立ちません。
この講義は、地球の営みを理解することを通じ、人類の将来を考えることもねらいなのです。

 

2.地球科学の参考図書

  書名 著者 出版社 コメント
岩波講座「地球科学」第1巻   岩波書店 ちょっと古いので図書館で探そう
岩波講座「地球惑星科学」 第1巻   岩波書店 これも図書館で探そう
プレート収束帯のテクトニクス学 木村学 東京大学出版会 プレートの沈み込みによってどの様に大陸が形成されたかを分かりやすく解説した本。付加体しくみを解き明かしている。 日本の陸地を形成する地質の成因が良く分かる。
進化する地球惑星システム   東京大学出版会 ちょっと難しいが、システムとは何かと言うことが理解できる。東大出版会といっても気後れしないように。
Understanding Earth Grotzinger
Jordan
Press
Siever
W.H.Freeman and Company 英語で読みたい人にはお勧め。図も多くてわかりやすい。
火山とマグマ 兼岡一郎
井田喜明
東京大学出版会 火山学の入門書。東大教養学部向けの講義を一冊にまとめたもの。岩波講座の「火山」よりもずっと面白い。
地震と断層 島崎邦彦
松田時彦
東京大学出版会 地震学の入門書。東大教養学部向けの講義を一冊にまとめたもの。1995年の出版であるが、今でも読む価値のある本。
地球の教科書 井田喜明 岩波書店 一般向けの地球科学の教科書。本講義の全体を通して理解するには最良の教科書である。 文章は簡潔に無駄なく書いてあるが、深く理解するには周辺分野の勉強が必要。その意味で「教科書」だと理解すべきか。
海洋底地球科学 中西正男・沖野郷子 東京大学出版会 プレートテクトニクスを理解する上で最も重要な、海洋底に関する科学をまとめた本。大学生(学部生)向けの教科書
10 地震予知の科学 日本地震学会地震予知検討委員会 東京大学出版会 地震の予知・予測に関する科学の現状と将来の展望について解説した本
11 南海トラフ地震 山岡耕春 岩波新書 南海トラフで発生する巨大地震に関する、しくみ・防災をコンパクトにまとめた一般書
12 三つの石で地球が分かる 藤岡換太郎 講談社ブルーバックス とっても挑戦的なタイトル。たくさんの石の名前を覚える前に、まずこの本を読むと、我々が目にする石について系統的な理解ができる。

 

3.地球科学を専門とするためのパス (ルートは多様)

地球科学は数学・物理・化学・生物学を用いた総合科学です。また我々の住む場所(環境)の科学でもあ理ます。私たちの生活の基盤に関する科学でもあり、生活に直結する分野も含みます。

名古屋大学の大学院でが,環境学研究科の地球環境科学専攻(地球惑星科学系と大気水圏系)で勉強することができます。地球科学の大学院に進んで専門を深めるためには大きく分けて2つのルートがあります。
   
1.地球科学を広く勉強して専門に進みたい場合(標準的ルート)
   2年生で地球惑星科学科に進み、大学院環境学研究科(地球環境科学専攻)に進学します。

2.基礎科学の知識・スキルを身につけた後に地球科学の特定分野の研究をしたい場合は、理学部の他学科で基礎学力をつけてから、大学院で地球科学を学ぶこともできます。
 地球物理学を専攻したい場合
   物理学科 → 大学院(環境学研究科地球環境科学専攻)  
   数理学科 → 大学院(環境学研究科地球環境科学専攻)
 地球化学を専攻したい場合
   化学科  → 大学院(環境学研究科地球環境科学専攻)
 生命の歴史を専攻したい場合
   生命理学科→ 大学院(環境学研究科地球環境科学専攻)

例)地震の仕組み解明には 力学,弾性体力学,物性物理学、複雑系物理学 など
  地震の発生予測には 統計学、数理物理学 などの基礎学力が必要となります。
  最近では,素粒子を用いて火山を透視するといった分野もあります。

4.配付資料

5.板書pdf版


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