研究集会「日本列島の地殻歪みとその諸問題」
新学術領域「地殻ダイナミクス」A02班

趣旨説明 日本列島では、測地学的時間スケールの歪み速度が地質学的時間スケールの歪み速度より1桁大きいことが長く問題とされてきました。時間スケールによって見え方が異なることは、日本列島の変形過程を理解する上での本質的な大問題です。この食い違いに対する説明の一つとして、測地学的時間スケールでは主としてプレート境界の固着に起因する弾性歪みを見ており、地質学的な時間スケールの歪みは非弾性の塑性歪みと考える見方があります。そうすると、現在観測されている地殻歪みは弾性歪みと非弾性歪みという性質の異なる成分を併せ持っていることになり、それらをどう分離するかが重要な課題となります。新学術領域「地殻ダイナミクス」のA02班では、地質学・地形学・地球物理学の知見を統合してこうした日本列島の地殻歪みの問題に取り組み、地殻歪みデータの意味を正確に読み解くことを目指しています。その活動の一環として、日本列島の地殻歪みについて議論するための研究集会を企画しました。「地殻ダイナミクス」関係者はもちろん、それ以外でも関心をお持ちの方の参加を歓迎します。



日時 2016年1月10日(日)、11日(月・祝)

場所 名古屋大学減災館1階 減災ホール


プログラム(変更になる場合があります)

1月10日(日)

13:00 趣旨説明                                鷺谷威(名古屋大学)

13:05 沈み込み型造山帯における地殻歪みの蓄積・解放過程            池田安隆(東京大学)

14:00 日本列島の活断層はいつ活動を開始したか?             道家涼介(温泉地学研究所)

14:25 活断層における長期変形速度と短期変形速度の差異について         松多信尚(岡山大学)

14:50 島弧スケールでの変形における媒質特性の長時間スケールでの変化(仮)

大坪誠(産業技術総合研究所)

15:15 休憩

15:30 応力場と変形場の対応としての断層活動場の評価(仮)       宮川歩夢(産業技術総合研究所)

15:55 1998-2002年のGPS観測による跡津川断層系周辺のひずみ速度場(の復習)        大園真子(山形大学)

16:20 地震から得た応力場と宇宙測地的データの比較              高田陽一郎(北海道大学)

16:40 地殻ダイナミクスにおけるオフフォルト変形の重要性             大橋聖和(山口大学)

17:05 議論

18:00 懇親会


1月11日(月・祝)

9:00  日本列島の地殻歪み速度パラドックスとその解釈                   鷺谷威(名古屋大学)

9:30  GPSデータの逆解析による島弧地殻の3次元弾性-非弾性歪み場の推定    野田朱美(構造計画研究所)

10:20 Persistent inelastic deformation in the Central Japan before and after the 2011 Tohoku-oki earthquake

Angela Meneses(名古屋大学)

10:45 休憩

11:00 2011年東北沖地震による誘発地震発生域の地質環境             吉田武義(東北大学)

11:20 東北地方太平洋沖地震前の上下変動速度変化(仮)             黒川祐梨(名古屋大学)

11:40 新潟ー神戸歪集中帯北東部のコーダQの空間分布          平松良浩・道場正伸(金沢大学)

12:00 昼食

13:00 中国地方の歪みレート比較                         西村卓也(京都大学) 13:20 フィリピン海スラブの変形から見た中部〜近畿地方の東西短縮速度       深畑幸俊(京都大学)

13:40 議論

14:30 終了予定